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臨床試験の個別被験者データの共有にあたって
最近の動向も交えて
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医薬品評価委員会 データサイエンス部会 推進委員 青木 真、加藤 智子、担当副部会長 酒井 弘憲
成宮 大貴、持永 浩二、澤田 克彦、大塚 渉、佐土原 和宏、宮澤 昇吾

製薬協医薬品評価委員会データサイエンス部会(以下、DS部会)によるCTDSについてのレポート「臨床試験の個別被験者データの共有CTDS(Clinical Trial Data Sharing)」[1]が2017年6月に公開されてから2年が経ち、CTDSを取り巻く環境に大きな変化が起きています。本邦でもCTDSに取り組む製薬企業がこの2年で増加する等の変化が見られます。本稿では、2年前と比べてどういった変化が起きているかを紹介するとともに、CTDS導入にあたっておさえるべきポイントをまとめました。CTDSにかかわる方々にとって、特に、CTDS導入を考えている、もしくは着手したばかりの企業関係者や、CTDSを自身の研究に対して利用を検討されている研究者のお役に立てればと思います。

改めて、CTDSとは?

臨床試験で得られた被験者レベルの個別被験者データ(Individual Participant/Patient Data、IPD)を研究者に共有する取り組み(CTDS)は、2013年7月に欧州製薬団体連合会(EFPIA)/米国研究製薬工業協会(PhRMA)から「責任ある臨床試験(治験)データ共有の原則」[2]が公表されたことを受けて、欧米を中心に本格的に始まりました。CTDSの主なベネフィットとリスクは、下記の通りです。

【ベネフィット】

医療や公衆衛生の向上

臨床試験により計画・実施された1次解析では得られなかった新たな知見を、2次解析で得られる可能性がある
>  既存の治療法の改善(特定の部分集団に起きやすい副作用の同定など)や疾患メカニズムの解明
>  2次解析で得られた新たな知見に基づく、より効率的な試験デザインの検討、臨床開発の成功確率向上、その結果医薬品開発コストの低減
臨床試験の不要な繰り返しを回避し、被験者に対する薬剤への不要な暴露を最小限に抑えることにつながる

臨床試験の透明性確保

臨床試験の結果公開だけでなく、IPDも共有することで、臨床試験に対する世間の理解や信頼を得られる
臨床試験結果が、IPDを使った2次解析で第三者により評価されることで、公に立証される

医薬品ビジネスへの恩恵

CTDSを通じて医療や公衆衛生の向上や臨床試験の透明性確保を実践することで、会社に対する評価や信頼への好影響を期待できる
産学の枠組みを超えて互いにデータを共有・活用する取り組みにより、医薬品開発の効率化を促進できる

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