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「第31回 製薬協 政策セミナー」を開催
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「医薬品のイノベーションで一体何が出来るのか~新薬の貢献と期待、そしてこれからの挑戦~」をテーマに、製薬協は2019年3月11日、日本橋三井ホール(東京都中央区)を会場とし、「第31回 製薬協 政策セミナー」を開催しました。我が国では少子高齢化と人口減少が進み、疾病構造が急激に変化する一方で「人生100年時代」が提唱され、社会保障制度の維持に向けた新たな知恵が求められています。目指すゴールは、新薬イノベーションを起点に健康寿命の延伸を促し、労働人口の増加と社会保障費用・社会負担の軽減をはかり、税収を改善した結果生まれる財源を新たな新薬イノベーションに投下するという「エンジェルサイクル」の構築にあります。そのために果たすべき産学官の役割はなにか、各ステークホルダーの代表が語り合いました。

会場の様子
会場の様子

「第31回 製薬協 政策セミナー」は、製薬協の伍藤忠春理事長の開会挨拶で幕を開けました。今回は安倍晋三内閣総理大臣と、ヨルダン・ハシェミット王国王女で国際対がん連合会長を務めるディナ・ミルアド氏が、製薬協の取り組みへの期待をビデオメッセージで述べ、セミナー開催に華を添えました。
 基調講演に登壇した厚生労働省医務技監の鈴木康裕氏は日本の健康産業が置かれている状況と国内外の医薬品開発の新たな方向性について論じました。慶應義塾大学特任教授でグローバルヘルス技術振興基金理事長の中谷比呂樹氏は、2015年の国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals(SDGs):持続可能な開発目標」の一つに挙げられた医薬品アクセス問題を採り上げ、日本の製薬業界に対して新薬開発を通したグローバルヘルスへの貢献の期待を表明しました。内閣官房健康・医療戦略室次長の大坪寛子氏は、国が現在進めている健康・医療戦略と今後の取り組みについて概説しました。国立研究開発法人国立がん研究センター理事・研究所長、がんゲノム情報管理センター長の間野博行氏は、がんゲノム医療の推進と並行して、日本人のがんゲノム情報を一元管理し、新薬の開発に活用する新しいがん医療の創造を展望しました。特定非営利活動法人パンキャンジャパン理事長であり自身もがんと闘っている眞島喜幸氏はドラッグラグ改善の歴史を振り返りつつ、ゲノム情報をコアにした新しいがん医療の推進の重要性を訴えました。
 そして特別講演として、ノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学特別栄誉教授の大村智氏が登壇し、アフリカの多くの国の人々をオンコセルカ河川盲目症による失明から解放した抗寄生虫薬の開発の経緯を熱く語りました。最後に、製薬協の中山讓治会長が、創薬イノベーションによる国民・社会への貢献を見据え、「製薬協 政策提言2019 ―イノベーションの追求と社会課題の解決に向けて―」を公表しました。
 以下、当日の講演概要を紹介します。

製薬協 伍藤 忠春 理事長
■開会挨拶

製薬協 伍藤 忠春 理事長
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製薬協政策セミナーも31回目を迎えました。テーマは「医薬品のイノベーションで一体何が出来るのか~新薬の貢献と期待、そしてこれからの挑戦~」です。今回は、ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生をはじめ、多彩な演者をお迎えして開催することができることになり、心より感謝申し上げます。
 本日3月11日は、8年前に東日本大震災が起きた日にあたります。当時、われわれ製薬協は医薬品供給等で協力させていただきましたが、あの事故が残した教訓は、地震や津波による災害の大きさもさることながら、クリーンエネルギーとして期待された最先端技術の原子力発電が、場合によってはわれわれの社会に巨大な牙をむいて襲いかかってくるという技術の二面性でした。イノベーションは、常に容易に社会と調和するものではなく、無批判に受け入れるべきものではないことを学んだわけです。
 そうした例は最近も起きています。数ヵ月前に中国の研究者がゲノム編集を施した双子の赤ちゃんを誕生させた発表で、世界中に激震が走りました。そうした技術の向こうに一体どのような未来が待ち受けているのか、われわれは大変不安に思うわけです。また国内では、妊産婦の血液検査による出生前診断の是非についての議論も巻き起こっています。妊娠早期に胎児の障害の有無を、かなりの確率で確定できる技術が確立されているのです。
 こうした技術を社会一般に広く適用して良いものかどうか、医療界でも意見は二分されており、障がい者の団体でも看過できないとして非難の声を上げています。まさに、「イノベーションの追求」と「社会課題の解決」はそれぞれが重要でありながら、調和させることは時に難しいとあらためて思います。ただ調和が難しいことはあるとしても、「イノベーションの追求」という本シンポジウムのテーマはいささかもそれによって毀損されるわけではなく、重要であることに変わりはありません。本日はそこに焦点を絞り、イノベーションが一体どこまでわれわれの社会に貢献できるのかを、それぞれの識者の視点からクリアに論じていただければ幸いです。

内閣総理大臣 安倍 晋三 氏
■ビデオメッセージ ご挨拶

内閣総理大臣 安倍 晋三
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生命科学の進歩によって人類の寿命は大幅に延伸し、人生100年時代といわれるまでになりました。その一方で、いまだに克服できていない疾患も多く残されており、世界中の研究者がその克服に向けて凌ぎ削っています。サイエンスに国境はありません。ひとたび優れた成果を出せば、全人類への普遍的な貢献につながる大変意義深いものです。2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村先生をはじめ、この厳しい世界に大志を持って飛び込み、世界中の研究者と切磋琢磨しながら大きな業績を上げて来られた研究者の皆様方に内閣総理大臣として心から敬意を表します。また、昨年は、世界中でがんで苦しむ人々に希望の光をもたらしたオプジーボの開発につながった研究について京都大学の本庶佑先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されましたが、改めて日本の独創的で多様な研究の重要性を強く認識いたしました。引き続き政府としてもあらゆる分野でイノベーションを起こし続けることを目指し、必要な支援を行ってまいります。

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