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イノベーションの追求と社会課題の解決に向けて
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会長 中山 讓治

日本製薬工業協会
会長 中山 讓治

今回の「製薬協 政策セミナー」は、「医薬品のイノベーションで一体何が出来るのか~新薬の貢献と期待、そしてこれからの挑戦~」と題して開催されましたが、私どもはこのテーマに対し、「少子高齢化・人口減少化においても、ヘルスケアイノベーションによって健康長寿は伸び、国民は人生100年時代を健康に生活できる。そして今後も長期間、社会の支え手となって、高齢化社会の中で、日本の国全体がさらに活力を出しながら成長する。そのことに医薬品のイノベーションが大きく貢献できるのではないか」と考えています。そうした観点から、先般、「製薬協 政策提言2019 ―イノベーションの追求と社会課題の解決に向けて―」(http://www.jpma.or.jp/event_media/release/pdf/20190124_1_1.pdf )をまとめました。
 本提言の全体像は、「テクノロジー新時代のイノベーション創出に向けた環境整備」と「イノベーションの推進と国民皆保険の持続性の両立」の2つに分けられます。前者については、私どもは3つの課題を採り上げて検討してきました。1つ目の課題は予防・先制医療ソリューションの早期実現です。予防・先制医療とは、病気の発症前の段階で発症を予測して予防すること、あるいは発症早期の段階で速やかに状況を把握し、治療にもち込むことです。予防・先制医療を実現するためには、まず疾患の発症や進行のメカニズムそのものを解明していく必要があります。疾患メカニズムが解明されれば、発症までの段階に創薬のターゲットを置き、介入するための治療薬や診断薬、ワクチン等を開発していくことができます。
 2つ目の課題は健康医療ビッグデータおよびAIの活用です。遺伝子背景や環境要因を含む健康医療ビッグデータ、前向きコホート研究や疾患コホート研究のデータをフル活用することで、医薬品の研究開発の確率の向上とスピードアップを図ることができます。特に創薬研究では、創薬ターゲットやバイオマーカーの探索、発症要因の解明のために、日常の診断データに加えてゲノム情報や画像等、疾患固有の詳細かつ高品質な情報が必要になります。加えて、個人の健康医療情報も極めて重要になるため、国全体として法的措置を講じ、個人情報を守りながらゲノム情報を有効活用し、特に産業界が2次利用できるようにしていくことが重要と考えています。
 3つ目の提案は、健康医療ビッグデータの臨床試験での活用です。臨床試験は医薬品開発の過程で最も多くの資源を必要とします。臨床試験でビッグデータを利活用し、試験期間の短縮等につなげることで、より早く患者さんに新薬を届けることができるようになります。そのためには、クリニカル・イノベーション・ネットワークのさらなる整備強化と企業ニーズの取り入れが必要です。われわれ企業も、産学官での協議に積極的に参加するとともに、レジストリ構築の費用負担等も積極的に推進していきます。

(3月11日 製薬協 政策セミナーより)

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