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製薬協 政策提言2019 ―イノベーションの追求と社会課題の解決に向けて―
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会長 中山 讓治

日本製薬工業協会
会長 中山 讓治

今回、政策提言を行うに至った、最も大きな要因は、社会・経済の環境変化です。現在の社会保障制度が作られた高度経済成長期は、人口も国民所得も右肩上がりで、科学の進歩と国民皆保険の両立が可能でした。しかし、少子化に伴う生産年齢人口の減少により、社会の支え手が減っていく一方で、高齢化等により社会保障給付費は伸張し続けています。社会保障と税の一体改革として、日本の新しいかたちが模索されましたが、結局は、税収は増えずコストだけが増える中、財政収支の改善のために、社会保障関係費の伸びの抑制への要求が高まり、経済・財政再生計画の集中改革が2016年から3年間で行われました。その結果、社会保障関係費の実質的な伸びを抑えるための財源の大半は、薬価の引き下げから捻出されました。薬価を切り詰めることで歳出改革を行うのは限界がきています。今ここで、日本の将来を中長期的な視点で捉え直さないといけないと考えたのが、今回、政策提言に至った最も大きな理由です。このまま削減・圧縮が続くと、イノベーションは衰退し、医療の質の低下を招きます。それは国民の健康を悪化させ、さらに増えた医療費が経済を圧迫し、成長力を低下させるという悪循環(デビルサイクル)に向かっていきます。われわれはこの姿に非常に危機感を抱いています。
 一方、これまで製薬産業は、さまざまな最先端の科学技術を取り込むことで、革新的な医薬品を世に送り出し、人々の健康や医療の質の向上に貢献してきました。モダリティも低分子からバイオ医薬に変化し、また、個別化医療や再生医療等、新しいものが次々と生み出される等、創薬イノベーションは着実に進歩してきました。これらの積み重ねが21世紀を生命科学の世紀とし、ライフ・サイエンスは現在最も期待されている分野です。それに加え、これからは、ビッグデータ、AI、ロボット等、近年急速に進展しているイノベーションを、あらゆる産業や社会生活に採り入れることにより、さまざまな社会課題を解決する「Society 5.0」時代を迎えます。このデジタル革新は、ヘルスケア分野のイノベーションを大きく加速させていきます。「Society 5.0」の実現によって新薬イノベーションが進めば、デビルサイクルをエンジェルサイクルに転換することができると考えています。疾病の治癒がなされ、完治しない人でも社会に依存する度合いが減っていけば、デビルサイクルとは逆に、社会保障費用の負担が軽減し、経済効果が生まれ、それは次の新薬イノベーションにつながっていきます。

(1月24日製薬協定例会長記者会見より)

日本製薬工業協会(製薬協)
Japan Pharmaceutical Manufacturers Association (JPMA)

製薬協は、病院、診療所などの医療機関で使われる医療用医薬品の研究・開発を通じて世界の人々の健康と福祉の向上に貢献することをめざす、研究開発志向型の製薬会社が加盟する団体で、1968年に設立されました。
 製薬協は、「患者参加型の医療の実現」に向けて、医薬品に対する理解を深めていただくための活動、ならびに製薬産業の健全な発展のための政策提言などをおこなっています。
 製薬協は、国際製薬団体連合会(IFPMA)の加盟団体として世界の医療・医薬に関わる諸問題に対応し、各団体と連携を図りながら、グローバルな活動を展開しています。

新薬の開発を通じて社会への貢献をめざす 日本製薬工業協会

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