製薬協について 製薬協について

Topics|トピックス

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
189号タイトル
トピックス画像
前へ12345次へ
「製薬協プレスツアー」を開催
バイオロジクス分野の人材育成及び研究・開発の支援等を通じて、日本におけるバイオロジクス産業の推進・振興に取り組む「バイオロジクス研究・トレーニングセンター」
line03 line03 line03

そのような中で、2012年に製薬協のバイオ医薬品委員会から、日本のバイオ医薬品産業の活性化に関する政策提言が出されました。その中の一つが、バイオ医薬品の開発・製造にかかわる人材の育成が必要であること、そのためには受託製造能力を有する小規模な組織を作り、そこで企業、規制当局関係者、学生等をトレーニングしましょうという提言でした。この提言が、1つはMAB組合の設立につながり、もう1つがBCRETの設立につながっています。この提言を受けて、製薬企業におけるバイオ医薬品の開発・製造のシステムに精通した人材輩出の必要性や、バイオ医薬品製造のGMP査察にかかわるPMDA職員の研修を行う組織の必要性といったことが、厚生労働省等の官庁からも次第に認められるようになっていきました。
 海外では、バイオ人材の育成は、大学が核になって大学と製薬会社が組む、あるいは大学がNPO等と組む、あるいは大学がいくつか集まって国立の研究所を作るといったことが行われていました。米国ではノースカロライナ州政府とノースカロライナ大学が組んで行っているBiomanufacturing Training & Education Center(BTEC)という施設があります。BTECは2007年に設立されました。約40億円強の資金を得て施設を建て、現在約50名のスタッフがいます。スタッフの中にはノースカロライナ大学の教員を兼務している人もいます。また、GMPをミミックした設備も備えています。BCRETは、このBTECをベンチマークとして立ち上げを目指してきました。
 BCRETの立ち上げに向けた過程で、さまざまなストーリーが並行して動いていきました。MAB組合GMP準拠施設の設置場所について、神戸市と神戸大学が受け入れるとの話があった中で、われわれは製薬協の立場から、教育プログラム作成の必要性について厚生労働省に強く訴えていました。これを受けて、厚生労働省がバイオ医薬品に関する人材育成のための教育プログラムを作ることに対し、予算を付けてくれることになりました。そこで、この構想について神戸大学のある先生に相談したところ、神戸大学に新設するイノベーション研究科の教員になってBCRETの運営にかかわってみてはどうかという話をいただき、神戸大学の教員として教育プログラムプロジェクトをAMEDから受託して作成を行ってきました。
 BCRETは2017年8月に設立されました。代表理事は官学で長く仕事をしてきた薬剤師研修センター理事長の豊島聰氏です。運営資金は、BCRET会員からの会費、講習を受けた人からの受講費、AMEDからの公募予算、製薬協からの寄付金等からなります。協力機関としては、神戸市、神戸大学、MAB組合、AMED、製薬協等が挙げられますが、そのほかのみなさんにもいろいろとお世話になっています。
 BCRETでの講習実施の形態や特徴は以下の通りです。

座学および実際の製造設備を用いた実習教育
神戸大学関連の一般社団法人として登記
製薬協等の業界団体と連携
PMDAと連携
オープンイノベーションによるバイオ医薬品の先端的な研究の企画・実施

理事には産官学から多くの人が入っており、日本全体でバイオロジクス人材の育成をどうしていくのかといったことも考えながら運営をしています。会員数は、製薬会社、医薬品製造受託機関(CMO)、機材会社等正会員18社、準会員9社、賛助会員6社です。
 BCRETの第1の目的は、国内の製薬会社等のバイオ医薬品の製造・開発に精通した人材育成とGMP適合性調査にかかわる審査官等の研修の実施ですが、将来的にはアジアに活動範囲を広げ、アジアのレギュレーターに対する教育を行いたいと考えています。すでに教材の英語バージョンも準備しており、実施しようと思えばできる状況です。
 BCRETの設置場所は神戸ポートアイランドにある神戸大学統合研究拠点の科学技術イノベーション研究科のスペースで、GMPの設備をスケールダウンしたプロセス開発用のスケールの機器が準備されており、実習を中心とした講習を提供しています。
 講習では、座学は1日コースで年間12回程度、実習は1回2.5日コースで年間10回程度は実施の予定です。2018年度に実施しているのはバイオロジクスの製造、細胞培養・精製工程の開発、品質評価にかかわる講義と実習です。GMP施設の査察等の教育については、MAB組合の設備を借りて進めていくということになります。2019年度以降は抗体医薬に加えて遺伝子治療あるいは連続生産のプログラムを作っていく予定です。AMEDのプロジェクトにメンバーとして参加しており、AMEDの遺伝子治療プログラムやMAB組合の連続生産プログラムにおいても、教育教材はBCRETが担当しています。

前へ12345次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ