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「製薬協プレスツアー」を開催
バイオロジクス分野の人材育成及び研究・開発の支援等を通じて、日本におけるバイオロジクス産業の推進・振興に取り組む「バイオロジクス研究・トレーニングセンター」
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MAB組合は製造の一貫した体制により、細胞構築から原薬までのプロセスに関して、各組織を置いて技術開発・サービス等を行っていくというスキームをとっています。細胞構築は横浜GMP集中研、プロセス開発と試験用のサンプルの提供は神戸GMP集中研、治験薬は福島の日本全薬工業、ウイルス管理は神戸医療産業都市の神戸大学の施設、分析はつくば市の筑波集中研にそれぞれ組織を設置しています。
 神戸GMP施設は、建物は神戸大学、土地は神戸市が保有しており、MAB組合は場所を借りて製造設備を導入しています。1階の約半分が研究開発実証用の製造エリアでクリーンルームとなっています。ここには、動物細胞を用いた培養と精製の設備を兼ね備えています。中2階には見学通路を設け、見学者の対応を行っています。クリーンルーム内はGMPに準拠した管理を実施しており、交差汚染防止のため出入り口は別となっています。見学では種培養、培養、精製、分注という工程を見ることができます。
 神戸GMP施設は、シングルユース技術を多用しています。ガンマ線滅菌されたシングルユースのプラスチックバッグでは、使い切りのため、異種の医薬品が混入する恐れがありません。また、低分子医薬品の場合は有機溶媒を使用しますが、バイオ医薬品では動物細胞が用いられることから水溶性のものが使用されるため、プラスチックバッグが溶けるようなこともありません。
 バイオ医薬品の製造工程について、保有している機器をベースとして紹介します。冷凍保管されている製造用の細胞を融解し、小さなフラスコから拡大していきます。動物細胞は増殖が遅く、1日に1回程度しか増えないことから、たとえば10tタンクにするには1.5ヵ月程度培養を繰り返していきます。本施設の培養設備としては50Lおよび200Lの培養槽を備えています。通常の試験は50Lをメインに使用しています。ステンレスの外枠にプラスチックバッグを入れて培養することから、ステンレスの外枠が培地やプロセス液に触れることはありません。培養が終了すると、細胞を除去するためにフィルタによるろ過を行います。精製は、不純物を除去する樹脂が入ったカラムを用いたカラムクロマトグラフィーという手法で行われます。抗体の製造プロセスは通常3段階のカラムクロマトグラフィー工程で構成されています。キャプチャ工程では粗取りをした後、非常に少量の不純物を除去するため、2段、3段のクロマトグラフィーをかけて高度に精製していきます。次に、フィルタを通して、精製されたタンパク質溶液中のウイルスを除去します。最近はバイオ医薬品でも皮下注射製剤が開発されており、それには10%を超えるような非常に高濃度なタンパク質溶液が必要な場合があり、高濃度の溶液とするために濃縮を行い、実際の薬剤の組成となるように液の成分を置換します。最後に、除菌フィルタを通して原薬が完成します。

一般社団法人バイオロジクス研究・トレーニングセンター 理事 内田 和久 氏
一般社団法人バイオロジクス研究・トレーニングセンター(BCRET)の取り組みについて

一般社団法人バイオロジクス研究・トレーニングセンター 理事 内田 和久
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私はBCRETの設立時理事であり、神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科の教員でもあります。また、製薬協のバイオ医薬品委員会の技術実務委員長にも就いており、それぞれの組織の中で活動しながら仕事をしています。それらを合わせた成果としてBCRETが設立されました。
 では、BCRETの設立経緯と事業内容について紹介します。日本のバイオ医薬品は、t-PAやエリスロポエチン等に取り組んでいた頃は米国からそれほど遅れていませんでしたが、ある時期から日本の会社の多くがバイオ医薬品の開発をやめていき、欧米と圧倒的な差がついてしまいました。バイオロジクスというのは、抗体医薬だけではなく、再生医療や遺伝子治療も含みます。抗体医薬の製造には培養や精製の過程がありますので、バイオロジクスを製造するための基礎的なプラットフォームであり、バイオ医薬品を製造できれば、そのノウハウは再生医療や遺伝子治療での開発製造にも応用できます。培養や精製はバイオロジクス分野では、基本問題のような非常に重要な要素技術です。日本のバイオ医薬品の領域では、2000年前後は、医薬品産業、さらにはそれを支えるベンダー産業も十分に育っていないという状況でした。

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