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国内における製薬企業での人工知能(AI)の導入状況と課題
―製薬企業へのアンケート結果から見えてきたこと―
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医薬品評価委員会 データサイエンス部会 タスクフォース1

製薬協医薬品評価委員会データサイエンス部会(以下、DS部会)では、製薬業界向けに人工知能(AI)の基本的な仕組み、特徴および現状等を紹介する報告書を作成しています。その一環として、国内製薬企業におけるAIの導入の状況、課題等を把握すべく、2018年9月6日から10月12日の期間で「AIに関するアンケート」を実施しました。本ニューズレターではその集計結果に若干の考察を加えて紹介します。

はじめに

近年、「人工知能(AI)」の利用を含めて「第4次産業革命」[1]とさえいわれ、さまざまな分野においてAIが利用され、その効果が大きな話題、ブームとなりました。製薬企業においても、さまざまな部門、業務に新たなブレークスルーを起こさせる技術としてビッグデータ、リアルワールドデータと合わせて期待が高まっていると思います。しかし、そもそも「AIとはなにか?」という明確な定義もされておらず、どういったことが可能になるのか? どういった場合に適さないのか? といった理解よりも漠然としたイメージが先行しているのではないでしょうか。製薬業界でも創薬分野では数年前から利用されている場合がありましたが、それ以外にもたとえば臨床開発、コールセンターの分野にもAIを利用するといった記事が掲載され、経営層等からAIのビジネスへの利用の指示がされるようなことも生じているかもしれません。
 しかし、現状のAIは、どんな問題にも答えられ、あるいは人のように考えて判断できるのではなく、ほかのシステムのようにベンダーに発注すれば、仕組みはわからなくても多くの場合にほしいものが導入できるものでもありません。そもそも、あらかじめ仕様書や設計書を作成して、その通りにプログラミング、設定する方法では開発できません。また、背景知識の不足や専門用語等の壁があり、製薬企業の担当者(ユーザー)とAIベンダーの担当者とのコミュニケーションに困難が生じることもあります。こういった課題に対して、社内にある程度のAIに関する知識、スキルをもつ担当者を確保することは1つの解法となると考えられます。このような背景から、製薬企業の日本国内におけるAI利用への取り組み、人材を含む課題について全社的な状況、ならびに回答必須部門として臨床開発部門(生物統計部門を含む)、GVP・GPSP部門、任意として創薬部門(毒性評価を含む)、コールセンター(社外用、社内用を含む)、営業・マーケティング部門、生産・品質保証部門、そのほか についてのアンケートを実施しました。部門については、導入済あるいは導入を検討しているAIについても聞いています。なお、対象とするAIは種類、社外のサービス利用/自社開発は問いません。OCR[2]、RPA[2]、汎用的な翻訳ソフトといったごく一般的なものは除くこととしました。
 アンケートは設問の順番等そのフォームによって結果が影響を受けるため、アンケート全体を実際の設問を含めて紹介すべきですが、ここでは製薬企業と関連するほかの分野のみなさんに関係が深いと思われる設問に絞ってご紹介します。
 より詳細な結果は別途、報告書として製薬協のウェブサイトに掲載いたします[3]


mark [1]
第4次産業革命とは、IoTおよびビッグデータをネットワークでつなげてまとめ、これを解析・利用することで新たな付加価値が生まれたり、AIによりコンピューター自らが学習し一定の判断を行うことが可能となるほか、従来のロボット技術もさらに複雑な作業が可能となる等の技術革新を指す。(内閣府 日本経済2016-2017 第2章 第1節 第4次産業革命のインパクト http://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_2_1.html を要約)





mark [2]
OCR:Optical Character Recognition/Reader(光学的文字認識)、RPA:Robotic Process Automation(ロボットによる業務自動化)
mark [3]
製薬協 委員会からの情報発信医薬品評価委員会の成果物
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/tiken/expert/results.html
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