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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「医療健康分野におけるAI/ビッグデータの活用について」
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ライフ・インテリジェンスコンソーシアム

AIが過去の知見を学ぶことによってレンブラントに似て非なる絵を描いたように、過去に医薬品を開発した事例のデータがあれば、それに基づいて新たな医薬品を開発することができるのではないかと連想できます。現在、製薬業界に限らずあらゆる業界がAIの可能性について検討を始めています。場合によってはできそうにないことまで妄想のように独り歩きしているといった状況もあります。われわれの研究室にも多くの製薬メーカーが来られましたが、そのニーズにすべて答えることは体力的にできない状況でした。そこで、製薬メーカーとAIを開発するIT企業に入ってもらい、みなで創薬のAIを開発するために立ち上げたのが、ライフ・インテリジェンスコンソーシアムです(図9)。

図9 ライフ・インテリジェンスコンソーシアム[LINC]
図9 ライフ・インテリジェンスコンソーシアム[LINC]

このコンソーシアムは創薬のAIを開発することを目的として、89の企業および団体の550名を超える人員で構成しています(2017年11月7日現在)。ただ単に勉強をして終わるものではなく、実際にAIを開発することにフォーカスを絞ったコンソーシアムです。製薬メーカー等のライフ系企業は、仕事の効率化や新しいものを発見したいといったニーズはありますが、具体的にAIとしてどのように実装していけばよいかわからないという状況がありました。一方、IT企業はさまざまな業界で応用事例があることから、特にライフに特化する必要はないという状況もありました。つまり、双方の会話が通じない状況でしたので、われわれアカデミアがパイプ役となり、コンソーシアムとして活動することになりました。最初にライフ系企業にテーマ設定、データの調査・整理をしてもらい、それに基づいてわれわれアカデミアも入って設計をし、設計書ができあがればITメーカーに開発をしてもらう、という形で進めています。
 このコンソーシアムではAI開発のフィージブルスタディを行うことでPOC(Proof of Concept;概念の実証)を取り、それを基に製薬メーカーなどのライフ系企業が社内できちんと予算を組み、ITメーカーに費用を支払って自社のデータで開発をしてもらうというモデルを組んでいます。このような形にしなければ、ただアカデミアが作ったものを公開して終わるといった、アカデミアの自己満足の研究開発に終始してしまうことになりかねないので、できたものは産業界で回ることを目標に活動しています。
 このプロジェクトは2016年12月中旬からスタートしました。まず、参画する製薬メーカーから150のテーマを提案してもらいました。そのテーマについて半年間かけて調査をしてAIの設計をし、150のテーマを29のテーマにまとめたうえで開発を行っています。白紙の状態からコンソーシアムを立ち上げ、テーマを集めて一気に実際の開発まで半年で行い、しかも30ほどのプロジェクトを並走させています。予算がない中でこれだけのことをやってきたことについて、人はお金で動くものではなく、興味や情熱で動くものだと感じました。

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