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「第31回 広報セミナー」を開催
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毎日新聞社 社会部長 磯崎 由美 氏
毎日新聞社 社会部長
磯崎 由美 氏

ネット社会の進展とともに新聞の編集作業も大きく変わってきた。過去は1日6回ある紙面の締め切りのタイミングに間に合うようニュースを配信するというクールで動いていたが、今では、ネット速報への対応から1日中ニュースを配信するという体制を強いられている。また、フェイクニュースとどう向き合うのか、あるいはネット社会で問題となっている事象もウォッチしなければならない。事実と異なることについてはきちっと対応していく必要があり、取材活動のカバー範囲は大きく広がっている。こうした環境下にありながらも、新聞社の役割は、速報という側面だけで競うのではなく、そのニュースを深掘りしたり、視点を広げたりといったプラスαの部分を加え、ニュース自体の質を高めることが大切だと認識している。

社会部の仕事

働き方改革

電通の問題を皮切りに、働き方に対する社会的な意識が高まっている。新聞記者も例外ではない。一方で、前述のように取材としてカバーする範囲はますます広がっている。ニュースとはなんなのかを今一度問い直し、取材の方法を変えなければならない局面にきている。同時に、女性記者の活躍の場が間違いなく増えてきている。毎日新聞社会部は80名程度の体制だが、女性記者が2割近くを占める。そのうち5名は育児と両立している。また、女性記者が増えることで社会部記事の中でも生活者目線の記事が増えてきたという効用も出てきている。

進む二極化

戦前戦中の反省から、戦後、新聞社は権力が暴走しないようチェックする機能としての役割を果たすべきとの考えに立ってきた。新聞社の存在意義の一つはそこにある。しかしここ数年、新聞社同士の右か左かの二極化が際立ち、一部の読者の視点から見るとどっちもどっちという印象を与え、読者離れの一因となっているように思う。そんな時代だからこそ、戦争を止められなかったという反省から、正しいことは正しい、誤りは誤りと書いていかなければならないと感じている。

社会部の仕事

社会部の仕事は、三面記事・社会面にあるように事件・事故を扱っているという印象が強いと思うが、守備範囲は意外に広い。毎日新聞の場合は警視庁、東京地検特捜部、裁判所、国税局、会計検査院、証券取引等監視委員会(SEC)等は社会部の担当となっている。これは、たとえば東芝案件は、現在はおおむね経済部が扱っているが、もしもこの先証券取引等監視委員会が刑事告発に動き始めたりすると、事件性の観点から、社会部の出番となる。社会部が動くということは事件性の可能性があるという一つの目安となる。また、政治面でも政局の話は政治部が扱うが、選挙における各選挙区での動きなどは社会部が扱う。これは地方支局や東京都は社会部が担当しているという背景からきている。中央省庁の担当は各紙ごとに異なるが、たとえば厚生労働省案件で、毎日新聞の場合は、厚生関係は医療福祉部が、労働案件は社会部が担当となっている。各社ごとにどの部がどんな省庁や案件を担当しているのかを知ることは、新聞社の取材目的を知るうえで大きな情報となる。

社会・時代を捉えた取材

記者クラブに所属していない記者を遊軍と呼んでいるが、このような記者たちは、今社会でなにが起きているのかといったことに対し、独自の目線をもって日々ニュースを探し取材しており、非常に重要な役割を担っている。企業や官公庁が発表する案件をリアクティブに扱うだけではなく、プロアクティブに取材テーマに挑む。脱発表ジャーナリズムと呼んでいるが、発表を待っているだけの記者では通用しない。当局等が公表したくない重要なファクトを公にしていく。こうした調査報道を大切にしている。通常、報道機関も経営状況が悪くなると、まずこの調査報道的なファンクションを効率化しがちであるが、毎日新聞は特別報道グループがあり、この部分を大切にしている。問題意識をもった記者がいて、情報が集まる体制を構築し、いざとなれば一気に取材攻勢をかける。こうした取り組みの効果なのかもしれないが、毎日新聞は新聞協会賞を最も多く受賞している新聞社である。

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