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「バイオジャパン2017」開催・参加報告
開会式、アジア製薬団体連携会議(APAC)の創薬連携活動、ならびにバイオ医薬品委員会セミナーについて
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シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)のChief Scientist and Director p53 LabのDavid Lane卿は、「BioScience and Technology development in Singapore, Policy and Outcome」と題して、シンガポールは教育水準も高く研究開発を推進する環境が優れており、政府は企業の誘致を熱心に進め、現在、約7000の多国籍企業があること、バイオメディカルとケミカルを合わせると全製造業の生み出すGDPの3割を超えるほどバイオとケミカルの社会への寄与が大きいこと、バイオ生産のためのTUAS(29施設、従業員6900人)と研究拠点のBIOPOLIS(アジアの研究ハブ拠点になることを目指している)とが連携してさまざまなコンソーシアムを結成して活発に活動していることを述べました。シンガポールから大手メーカー(ノバルティス、ロッシュ等)が撤退することもあったが、バイオ関連企業の参入が進み、いくつかの疾患研究プラットフォームにおいて成果が見出されつつあるとのことでした。
 製薬協の畑中好彦会長は、「製薬産業におけるイノベーションの将来像」と題し、革新的な創薬のためにはオープンイノベーションが重要であり、それをどう進めるべきか? と問い掛け、そのためにはコストを減らしたリスク分散や最新技術を活用した創薬が必要であることを強調しました。さらに、オープンイノベーションの推進のためには、mindsetの醸成、情報の共有、他業種との連携等に加え、デジタル化のいっそうの推進とビッグデータやAIの活用が重要であり、それらにより患者さんや社会にとっての新しい価値が創造されるのではないだろうかとの考えを述べました。また、リアルワールドデータと呼ばれる膨大な医療データをAIを駆使して解析することにより、創薬の生産性を向上できる可能性が期待できること、そして、われわれの使命は、革新的な薬を創り出すことによって医療の質の向上と経済成長を続ける社会に貢献することであり、そのためには産学官連携をいっそう進めたいとの決意を表明しました。

アジア製薬団体連携会議(APAC)創薬連携ワーキンググループ企画の公開セミナー

製薬協は2012年に、『革新的新薬をアジアの人々に速やかに届ける』をミッションとしたアジア製薬団体連携会議(APAC)を設立しました。その具体的な活動として、規制許認可と創薬連携に関する2つのワーキンググループ(以下、WG)を立ち上げて活動しています。
 創薬連携WGでは、(1)情報共有、(2)ネットワーキングの場の設定、(3)創薬の能力向上、という3つの柱で活動を進めており、2017年4月のAPACにおいて天然物創薬の可能性をテーマにセッションを設けました。天然物を利用した創薬を実際に進めることで研究者の能力向上も図ることができると考え、バイオジャパンにおける製薬協セミナーを「再認識される創薬研究における天然物の可能性」というテーマで、第2日の12日に開催しました。
 タイのTCELS(Thailand Center of Excellence for Life Sciences)CEOのNares Damrongchai氏と台湾DCB(Development Center for Biotechnology)のWei-Kuang Chi氏 をモデレ ーターとして、「タイに お ける天 然 物 からの 創 薬 」(Mahidol UniversityのChatchai Muanprasat氏)、「天然物ライブラリの活用による創薬」(Malaysian Institute of Pharmaceuticals and Nutraceuticals(IPharm)National Institutes of Biotechnology MalaysiaのMohamed Ibrahim Noordin氏)、「天然物創薬とSBDD」(エーザイの池森恵氏)および「天然物化学における最新技術の創薬への応用」(産業技術総合研究所の新家一男氏)について各々講演がありました。
 まず、タイにおける天然物創薬を目指した施設ECDD(Excellent Center for Drug Discovery)が稼働していること等の現状および課題が示されるとともに、マレーシアにおける天然物ライブラリの創薬の現状が報告されました。一方、池森氏は、創薬を効率的に進めるために構造と活性の面からユニークな天然物に着目、そのユニークさを活かす方法として、SBDDと呼ばれるタンパク質の立体構造情報を利用したドラッグデザインの活用について話しました。新家氏は細菌のほか、マリンリソースの活用に触れるとともに、微生物の二次代謝産物等の大量生産のために、細菌の生合成クラスター(DNA)を宿主の株に導入して、1つのDNA断片を有する細菌株の集団を得ることに成功した実例を示しました。
 その後のパネルディスカッションの中では、学と産とのコミュニケーションについての各演者の意見のほか、天然物のスクリーニングによって、ヒット化合物、そしてリード化合物を見出して合成研究を進めるというプロセスにおいて、天然物を供出する側とそれを活用する側の両者がいかに共同研究を上手く進めていくかが重要であることが共有されました(参加者100名)。

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