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市民・患者とむすぶ

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「第32回、第33回 製薬協 患者団体セミナー」を開催
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COMLの活動の原点と貫き通す信念

そんな中COMLは、患者の側で活動するグループとして立ち上がりました。そうすると医療者からは「なにか医療現場に厳しい要求をする団体ではないか」と身構えられてしまうこともありました。「賢い患者なんて作ってもらっては困る」という電話がかかってきたこともありました。
 私たちCOMLの活動の原点は医療者への要求ではなく、当時、受け身でお任せの患者に「それで良いのですか」と疑問を投げかけることでした。病気は命や人生を左右することであり、専門家といえども医療者にすべてお任せで良いのでしょうか。患者自身が「いのちの主人公」、「からだの責任者」として「賢い患者になりましょう」と呼びかけ、「患者と医療者は対立ではなく協働しよう」という考えで活動を行ってきました。活動にあたっては「協働」という漢字にこだわってきました。なぜならこの漢字は、「同じ目標に向かって歩む、立場の違う人同士がそれぞれの役割を果たし合う」という意味をもつと聞いたからです。医療者の努力だけで治療効果が上がるわけではありません。お任せするだけでなく、患者も「自分にできる努力とはなにかということを考えよう」、「積極的に治療に参加し課題解決のために提言できる患者市民になろう」という想いで活動を行っています。私たちの活動では、医療現場において、患者と医療者とのコミュニケーションをいかに根付かせるかということを大事にしてきました。苦情や文句を言うことは簡単にできることですが、冷静に医療現場に提言や提案のできる患者市民になっていきたいという想いをもって活動してきました。

患者視点を活かした活動~模擬患者活動、病院探検隊、電話相談~

患者視点を活かした活動の一つとして、模擬患者活動(SP活動)があります。この活動は1992年から実施しています。医学部、歯学部、薬学部では医療面接を含めた客観的臨床能力試験(OSCE)が義務化されており、試験の場に医療面接の相手役として模擬患者を派遣する等、医学教育に参画しています。医学部と歯学部では、臨床実習後のOSCE(Post-CC OSCE)が2020年から開始されることに対応するための準備も現在進められています。
 病院探検隊の活動も行っています。病院の改善に、利用者である患者の視点を活かしてもらおうと1994年から始めた活動で、実際の病院の見学、受診を通してその病院のもつ課題を伝える活動です。最近では慶應義塾大学病院や千葉大学医学部附属病院等、大きな病院からも声がかかるようになりました。これは、大きな病院のレベルでも患者目線を採り入れなければならないと感じている結果であり、世の中の機運が変わってきたことを実感しています。
 日常の活動の柱としては、患者やその家族の立場として電話相談も実施しています。現在まで約5万8500件の相談が寄せられています。2000年くらいからは患者や家族の相談窓口という位置付けを知ったうえで、医療者からも相談が寄せられるようになっており、現在ではよろず相談窓口のようになっています。

厚生労働省からの依頼で作成した「医者にかかる10箇条」の誕生と配布

1997年当時、厚労省からインフォームド・コンセントをよりいっそう推進させていくための施策として、患者に最低限これだけは医者に聞いてほしいということをまとめた「医者に聞こう10箇条」というものを作りたいので、COMLに研究班に参画してほしいと要請がありました。COMLは素案の作成から携わりましたが、状況によって聞きたいことが異なる、「医者に聞こう」ではなく、医者にかかる際の心構えをまとめた「医者にかかる10箇条」の素案を提出し、取りまとめに尽力しました。作成後は厚労省の記者発表を共同通信社が地方紙に記事配信した反響もあり、刷り部数の4万冊が3ヵ月で在庫切れになりました。この冊子は現在まで21万冊発行するに至っています。2014年には子ども向けの「いのちとからだの10か条」も作成しました。こちらの発行にはファンドレイジングで寄付を募り、3万冊を無料配布しました。両冊子とも現在はCOMLで販売しています。

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