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「骨太方針2017について」
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日本製薬工業協会 専務理事 川原 章

2017年6月9日「経済財政運営と改革の基本方針2017について」(いわゆる「骨太方針2017」)が閣議決定されました。「骨太方針2017」とともに、「未来投資戦略2017」も閣議決定されましたが、本稿では「骨太方針2017」を中心に製薬産業に比較的大きな影響が考えられる部分について概略を説明します。

1.はじめに

製薬協 川原 章 専務理事
製薬協 川原 章 専務理事

今回の「骨太方針2017」では、いわゆる4大臣合意を受けて2016年末にまとめられた「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」がどのような内容で具体的に反映されるのかが注目されました。
 結果として、「骨太方針2017」では、「第3章 経済・財政一体改革の進捗・推進、3.主要分野ごとの改革の取組、(1)社会保障」の中で「薬価制度の抜本改革、患者本位の医薬分業の実現に向けた調剤報酬の見直し、薬剤の適正使用等」という薬剤に関する記述が、これまでにない大きな分量でかつ厳しい内容で記述されました。ただ基本的に上記基本方針を踏襲した内容と言えるものでした。
 具体的には「基本方針に基づき、効能追加等に伴う市場拡大への対応、毎年薬価調査・薬価改定、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度のゼロベースでの抜本的見直し、費用対効果評価の本格導入などの薬価制度の抜本改革等に取り組み、『国民皆保険の持続性』と『イノベーションの推進』を両立し、国民が恩恵を受ける『国民負担の軽減』と『医療の質の向上』を実現する。」としており、財政面の制約を強調している中にあっても、医療の重要性や医薬品開発の意義を評価する姿勢も引き継がれた形ともなっています。
 現在、すでに年初から、基本方針に基づいた形で8項目の論点について中央社会保険医療協議会(中医協)で2018年度診療報酬(薬価)改定に向けた改革議論が進められており、年末の政府予算案の決定に向けて具体的内容が固まってくるものと予想されますが、業界としては、各項目の中でも、とりわけ研究型製薬産業に甚大な影響を与える可能性のある「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度」の今後の方向性等について、引き続き説得力ある説明資料を通じて制度の趣旨が引き続き存続するよう、今後、中医協における意見陳述等、あらゆるレベルでの議論に的確に対応していく必要があると考えられます。

2.「骨太方針2017」を取り巻く状況

さて、本年の骨太方針ですが、昨年(2016年6月2日)とほぼ同様で、一昨年(2015年6月30日)に比べると早めに取りまとめられ、副題としては「人材への投資を通じた生産性向上」が付され、昨年の副題「600兆円経済への道筋」に続き、財政規律面が極端に強調されることはなく、わが国の将来を考えた場合に、経済規模の拡大や生産性の向上といった面が重要との基本認識から「働き方改革による成長と分配の好循環の実現」といった前向きの記述が目立つものとなっています。
 一方、業界に関連の深い社会保障分野における記述では薬価基準制度の抜本改革といった厳しい内容のほか、地域医療構想、医師偏在対策等も採り上げています。また、本稿では基本的に採り上げませんが、「骨太方針2017」とともに閣議決定された「未来投資戦略2017」では、遠隔診療の話や疾患診断へのAI活用等も採り上げられています。
 いずれにしても、「骨太方針2017」は、副題として「~人材への投資を通じた生産性向上~」が掲げられ、「~働き方改革と人材投資を通じた生涯現役社会の実現~」が前面に出ており、2016年の「600兆円経済への道筋」という成長戦略の目標数字に重点を置く姿勢からいくらか変化し、将来のわが国を支える人達の働き方や人材投資といったところに焦点をあてたことが注目されると思います。

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