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市民・患者とむすぶ

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「第1回 患者団体アドバイザリーボード」を開催
新任アドバイザーを交え製薬業界への期待や要望等を意見交換
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一口にがんといってもさまざまな病態、治療があるので、それぞれのがん種により患者会があり、地域の実情も異なります。患者会はそれぞれの実情に沿った声を挙げることになりますが、がんにおいての共通するテーマや医療費の問題についてはバラバラに声を挙げても届かないとの思いがありました。たまたま2016年に第2期医療計画が終了するタイミングがあり、また国会でもがん対策基本法改正が超党派議連で話し合われていたこともあり、がんの患者会の連合組織を作る必要があるのではないかとの思いが募り、全がん連が発足したという経緯です。
 最初の活動として、日本難病・疾病団体協議会(JPA)と協働で要望活動を行いました。当初は連合会で要望書を出していましたが、JPAから示唆をいただきJPAとともに記者会見を行いました。われわれは当初から要望活動、政策提言活動を中心にしようとねらったわけではなかったのですが、結果として要望活動が中心になっています。
 がん対策基本法の改正にあたっては、国政の重要なテーマになっておらず、成立が見通せない状況のなか、個別質問書を送る等して、なんとか2016年12月にギリギリ成立したという経緯がありました。この改正がん対策基本法には、社会全体でがん患者さんを支えるべきとの趣旨の文言を入れていただいています。また、希少がんや難治性がんについては支援が少ないため、希少がん、難治性がん支援に関する文言も入れていただきました。さらに院内がん登録については可視化をしていかなければならないということで、学会等と協働して患者さんに対してわかりやすい情報を提供するプロジェクトも今後行っていく予定です。
 また、学会との連携ということでは日本緩和医療学会とシンポジウムを共催したり、厚生労働省の「がんゲノム医療推進コンソーシアム」についても患者団体として加わっています。がん患者さんについては、リスクの高いがんであると保険加入を断られる等いろいろな問題あり、これらの問題についても提言を行っています。
 最後に、治験情報に関しては、患者さんが日本医薬情報センター(JAPIC)の臨床試験情報にたどり着くのは至難の業であり、必要な情報を得るのが難しいという問題を指摘しておきたいと思います。

(2)認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML 理事長 山口 育子 氏(新任アドバイザー)

認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML 理事長 山口 育子 氏

認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(以下、COML)理事長の山口育子氏より団体の活動紹介と製薬業界への期待・要望等をお話しいただきました。

 COMLは1990年より活動をスタートいたしました。その当時はがん患者にがんであることを伝えることはタブーで、当事者である自分のことを知るのにとても努力が必要な時代でした。患者さんが「この薬は何ですか」と聞くと「あなたに必要な白い錠剤」と回答され、「どうせ素人が聞いてもわからないのだから知らなくとも良い」という風潮で、患者さんの立場で活動をすると、「なにか厳しい要求をするのでは」と構えられてしまう時代でした。
 そこで、そのような受け身でお任せの患者さんに「それで良いのですか」と問いかけることからCOMLの活動は始まりました。患者さん自身が「いのちの主人公」、「からだの責任者」として「賢い患者になりましょう」と呼びかけ、「患者さんと医師は対立ではなくともに協働しよう」という考えで活動を行いました。医師にお任せするだけでなく、患者さんも「自分にできる努力とはなにかということを考えよう」、「積極的に治療に参加し課題解決のために提言できる患者市民になろう」という思いで活動を行っています。
 具体的な活動の1つ目は、電話相談です。COMLでは医療者ではないスタッフが対応にあたっていますが、相談件数が今までに、約5万8000件寄せられています。「入院治療から通院治療へとシフトするようになり不安を感じている」といった本音を聞き出してアドバイスします。最近では精神疾患患者さんが増えている現状があり、それらの方々の思いを受け止めて気持ちに寄り添うような活動を行っています。電話相談の1件あたりの平均時間は40分以上、ときに1時間半を超えることもあります。COMLは設立以来大阪で活動を行っていますが、相談の電話は全国から寄せられています。
 2つ目は、1991年1月から始めた患者塾という活動です。話題提供も行いますがメインになるのは参加者の意見交換で、グループディスカッションを中心に行ってきました。最近はお金をかけてでも話すために出向く方が減ってきています。インターネットで簡単に情報が取得できる時代であることが理由だと考えます。それでも答えのないテーマや医療費の話はどこにも載っていないので、逆に参加者が増える傾向にあります。
 3つ目は、SP(模擬患者)活動で、これは1992年から始めました。医学部、歯学部、薬学部で医療面接を含めた客観的臨床能力試験が義務化されており、医療面接の相手役として医学教育に参画しています。POST-CC-OSCE(臨床実習終了後オスキー)が2020年より開始されることに対応するため、2017年度からトライアルが始まっています。

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