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「第29回 製薬協 政策セミナー」を開催
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畑中 4~5年前までは、変化に対する環境整備に多少の遅れがあったようにも思いますが、製薬業界内におけるコンソーシアムや連携構築、AMEDによる支援、法改正等により、現時点では諸外国との間に大きな差はなくなっていると考えています。弊社の状況を見ましても、かつてはほとんどが米国の企業であった提携先が、今では半数以上を日本のベンチャーを含めた製薬企業あるいはアカデミアが占めています。

日本の製薬企業の創薬イノベーションにおける戦略

宮田 グローバルには、ビッグファーマ同士が分野を決めすみ分ける戦略を採る状況が見受けられます。それに対して、日本の製薬企業はどのような策を模索しているのでしょうか。
畑中 欧米のビッグファーマの状況を見ますと、合併による企業体力増大の後、宮田先生が指摘されたように主要な領域を分け合う動きがあります。しかしながら、それが創薬イノベーションにおける必要十分条件ではないことは、結果が如実に示しています。もちろん最終的には個別の企業が判断することですが、製薬協としては企業連携を含めて柔軟に対応していきます。
宮田 企業連携は日本の強みの一つであり、グローバルなビッグファーマに追随する以外にも道があることがよく理解できました。

創薬イノベーション推進戦略

宮田 では、創薬イノベーションをどのように推進するかについての議論に移りたいと思います。末松理事長から、中央倫理・治験審査委員会(central IRB)の整備が平成29(2017)年度のAMEDの活動のポイントに挙げられました。この点について、会場から“効率化と質の担保を両立させることが困難になるのでは”という懸念が寄せられています。
末松 そのご懸念は当然あると思います。倫理審査委員会の中央化が最も進んでいるのは英国で、日本と米国は遅れていました。しかし、米国は2016年1月に改正コモンルールができ、パブリックコメントも終了、今年の5月には一括審査が義務化される見通しです。日本は未整備ですが、現在は施設ごとに行われているIRBを集約していく方向で検討しています。いきなり日本全体でというわけにはいかないので、主要な大学の倫理審査委員会に参加してもらい、侵襲性の高い治療の開発治験やゲノム情報を含む観察研究を手始めに、その後、対象研究の範囲を徐々に広げていく方針で臨んでいます。インフォームドコンセントの文書統一化も、その一環として行っています。一方で、会場から懸念が呈されたように、質の担保をおろそかにはできません。これは作業を進めながら確立していくしかないと考えています。
宮田 Central IRBの審査基準をどのようなものにするか、その運用をどうするかが重要なポイントですが、チェックの統一化は研究開発の質向上につながると思われます。もう1つ、会場から出資金事業について説明を追加していただきたいというご要請がありました。
末松 AMEDでは、「産学官連携による創薬・医療機器開発の推進に向けた出資金事業(550億円)」として、2017年3月中旬から下旬に公募を開始することにしています。事業名は、「医療研究開発革新基盤創成事業~Cyclic Innovation for Clinical Empowerment(CiCLE)~」です。事業の代表機関がAMEDとの間で複数年(原則として最長10年)の契約(1億~100億円)を結び、事業終了後15年かけて返済するという内容になっています。健康医療戦略上の国策として重要な課題、製薬企業が手を出しにくい稀少疾患やAMRといった分野を対象に、柔軟な資金提供を目指しています。

厚生労働省医政局 研究開発振興課長の森光 敬子 氏
厚生労働省 医政局 研究開発振興課長の森光 敬子 氏

宮田 本日ご出席の企業の方々に は、 ぜひ、 活用を考えていただきたいです ね。CiCLEの中でも例示されていますが、産学官連携が創薬イノベーションに必須であることは、本セミナーにおいても繰り返し確認されました。他方、厚生労働省は立場上なかなか難しい舵取りを迫られていると推察されます。
森光 おっしゃる通りで、私の所属部署名は「研究開発振興課」ですが、安全性の確保のために規制をかけるという、名称とは一見相反する機能ももっています。ただ、産学官連携を進めるにあたって、国の支援策を1つにまとめていくことが厚生労働省の重要な役割だと認識しています。
宮田 研究開発に対し、安全性を担保しつつアクセルを踏む支援をするというのが厚生労働省の目指す方向なのですね。さて、森社長は、創薬イノベーション推進戦略にどのようなことを期待されますか。

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