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「第29回 製薬協 政策セミナー」を開催
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以下、若干の私見を交えて、この取り組みを例に産学連携への課題についてご紹介します(図3)。産学連携では、マッチングから採択まで最短で5ヵ月程度となっていますが、実際には十分な調整のための時間と人が必要です。また、本音の議論ができる場が必要です。さらに、長期的な視野をもつことと仲介役を立てることも大切です。仲介役については、まさにAMEDに担っていただきたいところであります。これらを踏まえ、各社とアカデミアがなにを目指したいか、どのようなデータを収集したいかを十分に話し合い、企業間の共同開発に資するとともに、アカデミアの能力を引き出せる協力のあり方が求められていると考えています。

図3 産学連携への課題
図3 産学連携への課題

診察データの活用 ―ビッグデータとレジストリ

診察データの活用については、本当になにが役に立つか今後詳細に詰めていく必要があります。クリニカル・イノベーション・ネットワークの背景には、世界的に医薬品・医療機器の開発コストが高騰している状況があります。一方、スウェーデンでは、ナショナルレジストリを活用した無作為化比較試験を実施し、1症例当たりのコストを50ドルに抑制しました。これを受けてわが国でも症例登録システムの検討が始められました。
 わが国で考えられている症例登録システムは、(1)患者が、(2)どこに、(3)なにの疾患で、(4)どのような状態で存在しているか、を収集・記録するデータバンクと位置づけられます。
 疾患登録システムの活用法としては、市場調査、患者リクルート、シングルアーム試験の対照群、市販後安全性調査等に有用であることはわかっていますが、実際にそれを薬事申請や承認に利用可能かどうかが重要で、データの信頼性を担保する方策が求められます。そこで現在、疾患登録システムに関するガイドライン案の作成を進めているところです。

医療システムの変革が求められるイノベーションへの対応

従来の製薬産業は、薬剤そのものを社会に送り出すという役割を担ってきました。今後は薬剤が患者さんに届く過程において、患者さんをどのように選定するか、どのような能力をもつ人がその過程で必要なのか、を検討しないと患者さんの手元に届かない時代になってきていると思われます。たとえば、分子標的薬を考える場合、患者さんをどのように選んでいくのか、そのうえでどの患者さんを対象とするのか、また、シークエンサーを用いてゲノム解析を行う場合、薬剤を投与するだけでなく遺伝子カウンセリングも必要ではないか等の患者さん周辺の条件を考慮できていないと、目の前の患者さんを本当に治療することはできないのではないかと考えています。まさに、イノベーションによってもたらされる変化の量と質を考えることが重要ではないでしょうか。産学官の連携は、特に革新的イノベーションを医療システムに導入するときこそ、重要だと考えられます。

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