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「2017 ライフサイエンス知財フォーラム」を開催
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ビジネスのパラダイムシフト
~再生医療の早期実現のための規制面での課題は何か?~●

大スケールでの培養が実用化の課題であるが、規制が強ければ高コストとなります。
 行政としては日本に世界一のイノベーション環境をつくりたいと考えており、有効性・安全性・品質の3つのポイントについて、レギュラトリーサイエンスをベースにして、医療従事者・患者・国民へ説明できる基準を作る必要があります。低廉な価格でも提供できるように、アカデミア・企業と議論してバランスをとっていきたいと考えています。
 iPS細胞ストックについては、SOPで厳格に管理すると現場のコツが生きてこない現状があります。iPSにかかわる技術を企業に導出し、かつ企業のGMP/品質管理技術の導入を急ぐ必要があります。また、現在iPS細胞について、ゲノム解析をはじめ考え付く限りの評価を行っていますが、今後なにを必須とすべきかについて、国の取り組みを希望します。コスト面では、特許ライセンスの問題もあります。
 日本の技術を標準化し、世界に認められるガイダンスをまとめることが重要になります。
 GCTPについて、医薬品のGMPの考え方を基準にして解釈すると、プロセスのバリデーション等に限界があり、細胞製品の品質を担保するための品質・製造管理について、今後も議論が必要となってきます。また、「条件付承認」を医療現場に理解してもらうハードルが高いことが課題となっています。

連携について

この分野は政府として重視している分野であり、各省庁が研究開発・産業的基盤をつくっていく施策等さまざまな形で応援しています。また、国際的なハブを目指して海外企業を呼び込み日本企業との連携を促す活動も展開しています。
 FIRMには200社以上参画していますが、細胞単独だけではなく周辺技術とも連携させてエコシステムにつなげていくことが重要であり、その実現に向けてご参加の企業やアカデミアの方々からも積極的な取り組みを期待したいと考えています。

知的財産のパラダイムシフト
~再生医療の特許保護と課題~

究極の目標は生体の細胞・臓器そのものを作ることなので、バリエーションはありません。作り方を工夫して早く安く作る方法を開発することで、知財の差が生じます。しかし、iPS細胞は自己修復を可能にしただけではなく、これまでの「分ける発生学」を「作る発生学」に変えました。生体の臓器と同一であること、たとえばこの大きさ・この形の肝臓がベストとは限らず、臓器のあり方を変えることができる技術になるかもしれません。
 医療技術なのか生産技術なのか、病院でやるのか企業のCPCでやるのか、線引きが見えないところが出てきました。以前であれば、権利化せずにノウハウとして保護していたものを、方法特許として確保しなければならなくなりました。企業としての権利を主張しなければならない場面があります。
 海外にも多くの強力な特許がありますが、再生医療がまだ軌道に乗っていない段階では声高に権利を主張しないほうが良いと思われます。ライセンス料の積み上げがかなりの額になるという問題について、(皆で協力して、というのが難しいようであれば)誰かがリーダーシップを発揮して解決を図る必要があると思われます。
 企業としては最終的な製品というのは特許で守っていきたいです。しかし、コアなところや汎用的なところはアカデミアで権利をもっていただくのが良いという考え方があります。
 異なるソース・培養方法で作られたものの同等性をどう評価するかの基本はサイエンスになります。タンパク質のバイオシミラーでさえ苦労しており、再生医療はそれよりも難しい分野であることは間違いありません。科学的に同等であることを評価できる時代がくれば可能かもしれませんが、現状は難しいでしょう。ただし、条件・期限付承認制度があるので、多大な臨床試験は要らない場合もあります。
 少数例であっても圧倒的な効果を示せば統計的に評価可能なので、最初から通常承認になります。本当は統計的に多数やらなければなりませんが、少数でも一定の評価ができるだろうというものが条件・期限付承認の対象になります。しかし、本承認されたときに再審査期間をどう設定するのが適切かを、今の段階で決めるのは難しいと思われます。
 基本製品を保護する特許については、特許群と特許群の重なりが出てくるのではないかと思われます。その場合に多額の訴訟費用をかけてお互い消耗することはせず、協力し合う必要があると考えます。

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