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アカデミアと企業との間の人材交流の状況について
他組織へ転入・転出した研究者数を参考に
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URAの前職別の構成をみると、アカデミア機関の教育・研究職、学生であった層が大半ではありますが、次いで、民間企業等の出身者が多く、約3割を占めています。このことは、民間企業を定年退職した人材がURA として大学の研究開発マネジメントにかなりの程度かかわっていることをうかがわせます。
 URA が学内でどのような活躍をしているのかをみてみるために、図6にURA を配置することによる効果を示しました。外部資金の獲得、機関内での交流・情報共有の進展に寄与していることを高く評価する状況がみて取れますが、企業出身者のURAが中心となり、企業で培った経験・知識を遺憾なく発揮し、産学連携の橋渡しの中核的役割を担っていくことで、さらに高評価を得ることができると考えます。それに向けて大学側としても、企業から優秀な人材をURA として確保していくには、安定的な雇用の保障や処遇面でのインセンティブなども考慮していかねばならないのではないでしょうか。

図6 URAを配置したことによる効果
図6 URAを配置したことによる効果

「科学技術イノベーション総合戦略2016」(平成28年5月24日閣議決定)における記載をみると、「人材の流動性を高めることで、それぞれの人材が資質と能力を高め、また、多様な知識の融合や触発による新たな知の創出や研究成果の社会実装の推進等が図られるが、我が国では長期雇用を前提に人材を育成・確保する考え方が基本となっており、多くの社会システムもその考え方に基づいて整備されていること等から、分野や組織、セクター等を越えた人材の流動性が高まっていない状況にある」との指摘がなされています。前述のクロスアポイントメント制度を活用した大学人材の外部交流の活性化や研究開発マネジメント経験が豊富な企業人材を取り込むURA の活用・育成はこの指摘に応えることを狙いとしています。イノベーションに必要な「新たな知(識)」を創出するという目標に向けて、異なる組織間での人材交流をより活発化するための意識、制度、財源などを総合的な観点で最適化していくことが、産官学一体となって、取り組まなければならない課題なのでしょう。

医薬産業政策研究所 主任研究員 渋川 勝一

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