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アカデミアと企業との間の人材交流の状況について
他組織へ転入・転出した研究者数を参考に
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アカデミアの成果が円滑に企業へ橋渡しされるには、双方の相互理解が重要であり、組織間の人材交流が1つのカギを握っています。研究人材の組織間の転出入の状況を総務省の「科学技術研究調査」により考察しました。科学技術政策の一環としての産官学の連携、人材交流が進められていますが、より活発化するためのいくつかの課題も残されていると思われます。今回は、最近の組織間の研究人材の転出入の状況を示すとともに、特に産学間での人材交流が果たす役割の重要性、ならびに研究人材のさらなる流動化を図る取り組みについて紹介します。

2015年、厚生労働省により策定された「医薬品産業強化総合戦略」では、創薬をめぐる国際競争は厳しさを増す一方であり、国内の産業構造やイノベーションを生み出す力が現状のままでは、日本の創薬産業は生き残りが困難な状況にあると警鐘が鳴らされています。さらに、国内の研究開発型製薬企業に対しては、グローバルに展開できる革新的医薬品を創出していくための資本力、研究開発力、人材確保等の企業力を強化することが望まれています。
 革新的医薬品創出に向けての製薬企業からの主導的な取り組みとして、従来の自前主義の研究開発からの脱却を図り、アカデミア・研究機関などの社外組織との研究開発の連携・協力のためのオープン・イノベーションを積極的に推進しています。
 また、日本医療研究開発機構(AMED)の設立を契機に、医薬品創出のプロジェクトや創薬支援ネットワークなど、国が主導するオープン・イノベーションのプラットフォームの構築、参画にも積極的な動きをみせています。

産学連携の推進のために相互理解の重要性

第10回健康・医療戦略推進専門調査会(2016年4月25日開催)において、「医療分野研究開発推進計画」の各省連携プロジェクトに関する実行状況が公表されました。連携プロジェクトのうちの医薬品創出プロジェクトのKPI として掲げられた「2015年度までの企業への導出(ライセンスアウト)1件」の目標は、創薬支援ネットワークで導出先の公募まで至ったものの、残念ながら未達成であったことが報告されています。
 この現状に対応して、創薬支援ネットワーク協議会[1]は、「産業界の意見を取り入れた創薬支援機能の強化」が必要として、2016年3月から産業界との意見交換を通じた支援テーマの採択・導出テーマの決定等の議論を始めています。
 また、産業界でもアカデミアと製薬企業との連携における問題点を明らかにする努力を払っています。製薬協 研究開発委員会 産学官連携部会が実施したアンケートもその1つです。アンケート結果には、いくつかの興味深い意見が回答されており、その一部を紹介します。このアンケートは国内254の大学・独立行政法人研究機関に対して依頼し、90機関からの回答があったものです。アンケートの自由記載(表1)には、「企業が求めるデータの幅や量が大学には過大」といった産学間のギャップを示す意見や「広く技術をアピールしたいが、クローズドで詳細情報を求められる」などのマッチングについての対応の違いがみられました。さらに、「(アカデミアの)機関によっては要員不十分」という意見や「大学は企業ニーズがわからない」、「企業が何を考え、何を求めているのか、大学や研究者とどう付き合おうとしているのか知りたい」などの相互理解を深める必要があるとする意見もみられました。

mark [1]
創薬支援ネットワーク協議会(第6回)、「創薬支援ネットワークの活動状況及び活動計画」、健康・医療戦略推進本部、http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/souyaku/dai6/siryou2-1.pdf
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