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市民・患者とむすぶ

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「第30回、第31回 製薬協 患者団体セミナー」を開催
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中山 泰男 氏
■ 講演

熊本地震における難病患者さんへの対応
熊本難病・疾病団体協議会 代表幹事 中山 泰男
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医療と行政の連携における課題と「互助」の重要性

2016年4月14日の夜以降、震度7や6強を観測する地震が相次いだ熊本県などでは、その後も活発な地震活動が続きました。私は、4月14日の夜(21時26分)、自宅で晩酌を始めようとしたまさにその時、大きな縦揺れを感じ、壁の額縁が落ち、食器が割れ、テレビなどが倒れました。さらに、4月16日午前1時25分頃の本震では、畳に敷いた布団から身体ごと宙に投げ出されるような激しい揺れを経験しました。
 各地の被害は深刻で、断水や停電が続いたため、多くの病院でしばらくの間、通常治療ができませんでした。医療に携わる人々も混乱し、9月に開催されたシンポジウム[12]では、「近隣病院の空床の情報がわかりづらく困った」、「行政区域と保健所の管轄、郡市医師会のエリアがそれぞれ異なり、どこに相談すればよいかわからず混乱した」といった声が聞かれ、医療と行政の連携が課題であることが浮き彫りになりました。また、誰もが混乱し、大変な経験をする災害時こそ、自助・共助・公助に加え、患者会における仲間同士の顔の見える助け合い「互助」が非常に重要であると改めて実感しました。

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国立病院機構 熊本医療センター. シンポジウム「熊本地震時の対応と復興」−出来たこと、出来なかったこと、そして、復興へ−. 平成28年9月30日開催

被災した経験からみなさんに伝えたいこと

私は、難病である炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease、IBD)[13]を抱えているため、粉末状の経腸的高カロリー栄養剤1パックを300ccの水で溶き、合計5パックほど摂取しないと十分な栄養が摂れません。また、トイレの後は、炎症を防ぐために臀部を水で清潔に洗う必要があります。しかし、避難所で配給された水はたったの1日当たり1Lであったため、洗面や身体の清拭を含めると、まったく水が足りない状況で大変苦労しました。だからこそ、何らかの疾患、特に難病を抱えるみなさんには以下のことを伝えたいと思います。

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難病情報センター. 潰瘍性大腸炎 http://www.nanbyou.or.jp/entry/62 難病情報センター クローン病 http://www.nanbyou.or.jp/entry/81

【自助(自分でできること)】
・非常用避難袋の準備(食料3日分、乾電池、保温シートなど)
・水なしで飲める常備薬(ジェル状の補助用品などを含む)1週間分の準備
・日常生活エリアを越えた医療機関・調剤薬局に関する情報収集(避難先の検討)

【共助(地域からの援助を得るために)】
・地域民生委員や自治会長に対する自身の疾患に関する最低限の情報開示
・避難所の事前確認と備蓄品で自身に足りないものの把握
・社会貢献活動の一員となる

【公助(社会的な支援を受けるために)】
・自治体における災害時要援護者登録[14]を行う
・自治体の担当者とつながる(保健師、福祉職員など)

【互助(緊急時の確認)】
・(患者会では)会員からの支援要請に対応するための体制整備
・自治体に対し、難病患者固有の課題を網羅したガイドラインについて要望

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内閣府. 防災情報のページ. 避難行動要支援者対策 http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/youengosya/index.html
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