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「第28回 製薬協政策セミナー」を開催
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■ パネルディスカッション

コーディネーター 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 投資銀行本部 シニア アドバイザー 三田 万世
パネリスト 東京経済大学 経済学部 教授 長岡 貞男
厚生労働省 医政局 経済課長 大西 友弘
学習院大学 経済学部 教授 遠藤 久夫
日本製薬工業協会 会長 畑中 好彦

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壇上のパネリスト

壇上のパネリスト

医薬品の価値に着目した費用対効果評価

三田 医療費適正化とイノベーションの評価のために、後発医薬品(以下、ジェネリック医薬品)の使用促進、費用対効果評価の試行的導入、イノベーションの評価のための先駆け審査指定制度、新薬創出加算など、さまざまな施策が策定・導入されてきました。これらの国の施策に対するお考えをお聞かせください。

三菱UFJモルガン・スタンレー 証券株式会社 投資銀行本部 シニア アドバイザーの三田 万世 氏
三菱UFJモルガン・スタンレー 証券株式会社 投資銀行本部 シニア アドバイザーの三田 万世 氏

大西 2016年の薬価制度改革で導入された先駆け審査指定制度加算は、薬事承認上高く評価された医薬品を保険上も高く評価する制度で、薬事と保険を連携させて政策を加速させようとする仕組みです。こうしたトレンドは、今後さらに強まっていくと予想されます。
 一方、費用対効果評価も非常に重要な施策です。薬価制度の枠組みでいえば、原価計算方式や類似薬効比較方式など、薬の開発に要した費用を積み上げて計算していくような考え方から大きく離れ、本日の主要テーマでもある医薬品の価値に着目して、費用対効果として医薬品を評価する方法と言えます。この費用対効果評価については、今は試行中ですので、医療保険制度における扱いについては今後も議論されていくと思いますが、費用対効果が悪いから薬価を切り下げるといったネガティブな方向だけでなく、費用対効果に優れた医薬品の薬価は上げるという方向性も示されるべきであると考えています。
畑中 私は、「骨太の方針」や「医薬品産業強化総合戦略」の中で、国を挙げてのイノベーションの推進や革新的新薬の創出促進が、前面に打ち出されていることを心強く感じています。その一方で、ジェネリック医薬品の数量シェアを2018年度から2020年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする施策も示されています。この両方を考えたときに、研究開発型の製薬企業は、より迅速な新薬創出に重点を置いた企業に転換し、世界の中で競争をしていかなければならないと認識しています。多大なリスクを取りながら研究開発を進め、そこから得られた収益をまた次の研究開発に投資していくという、新薬創出のイノベーション・サイクルを巧みに展開し、その中で競争に勝っていくという覚悟を強く問われているのが、今の日本の政策ではないかと思っています。

コスト削減努力になんらかのインセンティブを

三田 昨今、高額薬剤の上市が保険財政に影響を与えかねない問題として、社会的にも注目されています。何が問題で、どのような対応が必要とお考えでしょうか。
遠藤 オーファン・ドラッグのように、必要とする患者さんはいらしてもマーケットが非常に小さい医薬品には、これまでも高い薬価が設定されてきました。このように明確な理由があれば、高額でも問題はないと思います。しかし、適応や使用量が著しく拡大しているにもかかわらず、高価格が維持されている医薬品については、医療保険財政への影響を無視できません。ただ、費用対効果にも目を向ける必要はあり、たとえばほかの薬剤にはない効果をもっている医薬品の場合は、単純に価格だけの議論をしてはいけないと思います。そうした観点を踏まえたうえで考えなければならないことは、初期価格を高く設定すると、なかなかそこから下がらない傾向にある制度になっていないかということです。ですから、製造コストがかなり大きいバイオ医薬品等に関しては、イノベーションを図ってコストを下げる努力に対し、なんらかのインセンティブを与えることも必要だろうと考えています。

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