製薬協について 製薬協について

Top News | トップニュース

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
175号タイトル
前へ1234567891011121314151617次へ
top_news
「第28回 製薬協政策セミナー」を開催
line03 line03 line03
畑中 好彦 氏

■ パネリスト講演
革新的医薬品の創出と評価

日本製薬工業協会 会長 畑中 好彦

line03

新薬創出のためには持続的な研究開発投資が不可欠

創薬を取り巻く環境は劇的に変化しています。社会、市場に関していえば、少子高齢化、医療費の継続的な上昇、アクティブエージングへの意識の高まり、さらには医療の進歩を背景とするアンメット・メディカル・ニーズの多様化等が挙げられます。技術革新という観点では、新規のモダリティー活用による革新的な新薬創出や個別化医療などへの取り組みがすでに進められており、現在はカルテやレセプトデータを統合したビッグデータを創薬に結びつけていくことも鋭意検討されているところです。一方、国の政策や制度では、イノベーションの推進とともに、薬価制度改革を中心に社会保障費の抑制が図られています。
 このような外部環境の中で、新規医薬品の開発には、臨床試験のエビデンス・レベルの向上や既存薬との明確な差別化が求められています。さらに、開発プログラムの大規模化やグローバル化とともに、市販後に集積するエビデンスの拡充や適正使用のさらなる推進も求められ、製薬企業の上市後の負担はより大きくなっています。
 これらの動向を裏づけるように、研究開発費は世界的に増大しており、総務省が2015年に公表した「科学技術研究調査報告」でも、わが国の製薬産業の研究開発費の対売上高比率は12%前後で推移し、他産業の同比率3~9%と比べても極めて高いことが示されています。
 研究開発型の製薬企業において、その経営を維持するためには新薬の創出が不可欠であり、様々なリスクを取って研究開発への積極的な投資を継続していかなければならないことは、今も変わりません。

継続的な研究開発にはイノベーションの適正な評価とインセンティブとなる制度の導入を

製薬業界に対する国の施策である研究開発税制は、製薬企業が長期にわたり、ハイリスクであっても研究開発投資を続けるためのインセンティブとなっています。また、新薬創出・適応外薬解消等促進加算や先駆け審査指定制度加算等は革新的新薬の創出に対する適正な評価としてプラスの影響を及ぼしています。
 一方、特例拡大再算定は、販売額が巨額となり、市場規模が一定以上拡大したという理由のみで薬価を引き下げる制度であり、国と製薬企業が目指すイノベーションの推進に逆行するものと思われます。費用対効果の評価では、現行の薬価制度の基本的な考え方が維持され、医薬品の価値が損なわれないことが求められます。研究開発への投資を持続するためにも、イノベーションの適正な評価を基軸として、インセンティブとなるさらなる制度の導入が望まれます。

多対多型の産学官連携が必要

本年1月、製薬協は製薬協自身および会員会社が目指すべき姿を5つのビジョンにまとめ、「製薬協産業ビジョン2025『世界に届ける創薬イノベーション』」とのタイトルで公表しました。
 これらを実現する手立ての1つとして、医療データベースの構築と創薬への応用を目指しており、リアルワールドデータ、医療ビッグデータの活用とともに、発症メカニズムの解析やバイオマーカー探索の推進を図っていきます。特に、市販後の適正使用への取り組みをより深化、高度化させるためには、研究開発段階からバイオマーカーを発見し、有効性、安全性に関する予測技術の実用化を図ることが重要です。加えて、投与開始前に有効な患者集団を特定することや、投与開始後に投与終了可能な患者集団を特定することなども、投与中や投与終了時期に得られたデータを集約することで可能になります。

前へ1234567891011121314151617次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ