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「第28回 製薬協政策セミナー」を開催
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日本発の革新的医薬品は世界の公共財

われわれのこれまでの研究は、日本製薬企業にはサイエンスの吸収能力と独自性がより求められることを示唆しています。また、12の事例研究では、日本の製薬企業が自ら海外で臨床開発を行った例は3つにとどまり、残りの9つは海外の企業との共同、あるいは海外にライセンスアウトをして行った開発であることがわかりました。しかし、創薬の研究不確実性の高さや希少疾患の増加を考えると、グローバル規模の治験による優位性の獲得が今や重要になってきていると思われます。したがって、今後のグローバルな臨床開発能力のさらなる拡充は重要なことだと考えます。
 さらに、ハイリスクな創薬に成功した場合、ハイリターンを確保する手段として独占権を得られる特許制度をしっかり活用していくことも重要です。そして、サイエンスと研究開発のインフラ整備も必要です。最近ではアカデミアにもソリューションを求める傾向がありますが、ソリューションの検討、構築は基本的に企業が担い、アカデミアはライフサイエンスの根幹となる純粋基礎研究で成果を上げることが重要ではないかと考えています。
 現在、日本で開発された革新的医薬品は、世界百数十カ国以上で使われており、それらの有用性は世界的にも認められています。その一方で、欧米で開発された医薬品も数多く日本で使用されています。まさに、医薬品は世界の公共財とも言えます。世界の治療の手段を拡大するうえで、日本が有力な地位を占めていることを忘れずに、今後も日本発の革新的医薬品の開発に努めていただきたいと思います。

大西 友弘 氏

■ パネリスト講演
医薬品産業政策の動向と展望

厚生労働省 医政局 経済課長 大西 友弘

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ジェネリック医薬品使用促進の道のりは平坦ではない

医薬品産業は、科学技術の変化に大きな影響を受けます。たとえば、2001年から2014年にかけての医薬品の世界売上上位10品目の推移では、わずか13年ほどの間に科学技術の結晶ともいえるバイオ医薬品の比率が著しく増えています。また、ベンチャーオリジンの医薬品も2001年の時点では1つもありませんが、2014年には6個になっていて、創薬の仕方も変わっています。さらに、2001年に1位となった医薬品の年間売上高は約66億7000万ドルですが、2014年になるとその程度の額では8位にも届きません。その背景として医薬品の高額化が推察されます。
 そうした世界的な医薬品産業の変化の中で、日本の医薬品産業政策も大きく動きつつあります。その1つが、2015年に公表された「骨太の方針2015」の中で、ジェネリック医薬品の使用促進の目標値が、「2017年央に70%以上、2018年度から2020年度末までのなるべく早い時期に80%以上」と、大幅に引き上げられたことです。しかし、この目標値を達成するためには、ジェネリック医薬品の生産力増強や使用促進の啓発活動など、さまざまな取り組みが必要になるため、達成までの道のりは決して平坦ではないと思われます。

イノベーション推進と流通改善が重要

一方、日本の医療用医薬品市場の80%がジェネリック医薬品で占められることになると、新薬メーカーの市場が大きく縮小することが予想されます。そうした厳しい状況の中で、新薬メーカーが継続的かつ積極的に新薬を開発、上市し続けるためには、イノベーションの推進を図っていくことが重要になると思います。そのための施策として、厚生労働省は2015年9月、「医薬品産業強化総合戦略」を打ち出しています。この戦略の中では、薬価を決める際にイノベーションをいかに評価すべきかについても検討されています。また、一品一品の薬の価値が適切に評価されたとしても、それが流通段階でうやむやになってしまっては価値評価の意味がありません。そこで、イノベーションの推進、イノベーションの評価と並行して、流通改善も重要と考え、厚生労働省は「流通改善懇談会」を開催して2015年9月に流通改善に関する新提言も公表しました。
 「骨太の方針2015」に続く「骨太の方針2016」には、費用対効果評価導入と併せ、革新的医薬品等の使用の最適化を推進することが盛り込まれました。この革新的医薬品等の最適使用については、現在、中央社会保険医療協議会をはじめとする関係機関の間で議論が進められています。

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