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「第28回 製薬協政策セミナー」を開催
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サイエンス集約的な医薬品の意義

われわれは、医薬産業政策研究所が2015年7月に発行した「政策研ニュース」で、医薬品の効果についての実証分析の結果を報告しています。研究開発投資の成果である新薬は、医薬品ストックを拡大し、医師の治療の選択肢を増やすことで治療の可能性を高め、それが寿命の延伸等に寄与すると考えられます。また、その結果開発された新薬を使える疾患分野での死亡年齢がより高くなる直接効果だけでなく、たとえば感染症の新薬で感染症による死亡が抑制されれば、他の致命的な疾患に罹患する年齢も上がるという間接的な効果も期待されます。
 今回の研究では直接効果のみを対象として、約200の疾病分野について、世界保健機関(WHO)の死亡率、厚生労働省の患者調査による入院日数、各疾病に利用可能な医薬品ストックなどについて、1995~2011年の動向を分析し、新薬の開発が疾患分野ごとにどのような影響を与えたのかについて検証しました。特に、サイエンス集約的な医薬品の選択肢が拡大した領域で、死亡年齢が有意に高まっているかどうかに注目しました。なお、医薬品のサイエンス集約度については、IMSの医薬品処方データベースから各医薬品の特許を識別し、当該特許の先行科学技術文献を抽出して判定しました。
 検証の結果、1996~2010年にかけて死亡者の平均年齢が74歳から79歳に上昇していたのですが、サイエンス集約的な成分の医薬品がなければ、寿命の延伸が約1年短かったと推算されました(図1)。さらに、サイエンス集約的な成分ストックとサイエンス非集約的な成分ストックに分けると、サイエンス集約的な医薬品ストックのみで有意な寿命の延伸効果が認められました。この検証対象期間の15年間で1年寿命が延伸されたという結果は、医薬品がほぼ永久に使えることを考慮すると、非常に大きな経済効果と言えるでしょう。

図1 サイエンス集約的医薬品の貢献
図1 サイエンス集約的医薬品の貢献

サイエンス吸収の重要性

次に、医薬品開発におけるサイエンスの重要性と不確実性、そして競争の意味合いに関するわれわれの研究結果を報告させていただきます。本研究は2つの方法で公開しており、1つは日経BP社から『新薬創製』とのタイトルで本年3月に事例研究の成果を上梓しております。これは日本で創製された12の革新的な医薬品の事例研究をまとめたものです。もう1つは、医薬産業政策研究所のリサーチペーパーとして公開したもので、わが国で1980年以降に実施された約1000の探索研究および臨床開発プロジェクトについて、それらにかかわった研究者に対して質問票調査(以下、サーベイ)を行った結果です。この調査では、日本製薬工業協会にもご協力いただきました。

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