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「骨太方針2016について」
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日本製薬工業協会 専務理事 川原 章

2016年6月2日「経済財政運営と改革の基本方針2016」(いわゆる「骨太方針2016」)が閣議決定されました。本稿では製薬産業に比較的大きな影響が考えられる部分について概略を説明します。

1. はじめに

製薬協の川原 章 専務理事
製薬協の
川原 章 専務理事

骨太方針といえば、2015年の「骨太方針2015」において、「臨床上の必要性が高く、将来にわたり継続的に製造販売されることが求められる基礎的な医薬品の安定供給、成長戦略に資する創薬に係るイノベーションの推進、真に有効な新薬の適正な評価等を通じた医薬品産業の国際競争力強化に向けた必要な措置を検討する」と盛り込まれたことを受け、「後発医薬品80%時代」において、「国民への良質な医薬品の安定供給」・「医療費の効率化」・「産業の競争力強化」を三位一体で実現するため「医薬品産業強化総合戦略〜グローバル展開を見据えた創薬〜」が2015年9月に緊急的に取りまとめられたことは、記憶に新しいところです。
 また、2014年の「骨太方針2014」においては「薬価調査、薬価改定のあり方について、診療報酬本体への影響にも留意しつつ、その頻度を含めて検討する」という文言が盛り込まれ、関係業界関係者から毎年改定への布石ではないかとの強い反発を招いたことも鮮明に記憶に残っているところです。さらに10年ほど遡る「骨太方針2006」では社会保障関係費の増加の一律抑制が盛り込まれ、以降5年間これが実施され、医療現場の荒廃を招いたとの指摘がなされたことを記憶されている方も多いと思われます。

2. 「骨太方針2016」を取り巻く状況

さて、本年の骨太方針ですが、昨年(2015年6月30日)に比べると早めに取りまとめられ、また副題として「〜600兆円経済への道筋〜」が付されるなど、ここ数年と比べると、財政規律面が極端に強調されることはなく、「成長と分配の好循環」といった前向きの記述が目立つ印象のものとなっています。ご承知のように、この骨太方針の閣議決定の直前に、2017年4月に予定されていた消費税率引き上げ(8%→10%)の2019年10月への先送りという重大な政策決定が行われました。また、それより少し先の5月26日〜27日には安倍晋三総理大臣が議長となって伊勢志摩・先進国首脳会議(G7サミット)が開催されました。このG7サミットでは世界経済の潜在的なリスクについての議論が行われ、これが消費税率引き上げの先送りの理由として取り上げられた面もありました。そのような状況下で、6月23日にはイギリスにおける国民投票において欧州連合(EU)離脱派が勝利するという驚きのニュースが飛び込んできて、実際に株価や為替相場に大きな影響があり、日本政府もこれまで以上に、特に外的変動リスク要因に対し経済財政運営上鋭意万全を尽くして対応に努めなければならない状況にあります。
 なお、薬価毎年改定の議論については、もともと当初予定されていた2015年10月の消費税率引き上げが2017年4月に1年半ほど先送り(2014年末に判断)され、今回再度2019年10月に先送りされたことから、薬価調査を踏まえた2017年4月改定や毎年改定をめぐる論議もひとまず消失することとなりました。しかしながら、経済・財政再生計画改革工程表(2015年12月24日経済財政諮問会議)には「薬価改定の在り方について、2018年度までの改定実績も踏まえ、その頻度を含め検討、遅くとも2018年央を目途に結論」と記載されていることから、今後も財政面のみからの一方的な議論が展開されるおそれは残っていると考えられ、関係団体とともに、引き続き毎年改定反対の姿勢を緩めることなく、緊張感をもって議論の推移を注視していく必要があると考えられます。

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