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新薬の臨床開発と審査期間
−2015年実績−
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まとめ

2000〜2015年に国内で承認された新薬の臨床開発期間、審査期間についてアンケート調査の結果を分析しました。2015年の承認品目数は106品目であり、そのうちNMEは38品目となっています。国内申請時点での海外における開発状況より、外資系企業では、2008年頃までは国内申請した品目の70%以上が海外、特にアジア地域において承認済みの品目でしたが、近年、開発中・申請中段階で国内申請される品目が増え、日本での申請時期が相対的に早くなっていることがわかりました。国内臨床開発期間は、2000年以降短縮傾向にあり、NMEの期間短縮が影響していることが見て取れました。審査期間は、2004年のPMDA設立以降大きく短縮し、近年では短期間で安定して審査されている状況です。
 また、2005年以降の承認品目のアンケートデータを用い、臨床開発期間と審査期間、ならびにその合計期間となる開発期間のそれぞれについて、PMDA設立後における新薬の開発期間の関連因子について統計的手法を用いて分析しました。その結果、①NME以外の品目であること、②導入品であること、③優先審査品目であること、④外国P2〜P3試験を利用していること、⑤開発企業が外資系企業であることといった5因子は開発期間が短くなる項目であり、①P2終了後相談および②申請前相談を実施した品目は期間が長くなる項目であることが明らかとなりました。また、承認年ごとに見ると、2005年当時と比べて2010年以降の承認品目の開発期間(臨床開発期間+審査期間)が、審査期間の短縮トレンドに伴って有意に短くなっていることが示されました。

用語説明

NME以外:新医療用配合剤、新投与経路、新効能、新剤形、新用量およびバイオ後続品などを指します。
自社開発品:自社からの創出品だけではなく、外国本社の開発品を日本法人が開発した場合や自社開発品を共同開発した場合、他社の開発品を会社ごと買収して開発した場合も含んでいます。
優先審査:希少疾病用医薬品と希少疾病以外の優先審査品目に分類されます。希少疾病以外の優先審査品目は重篤な疾病であり、医療上の有用性が高いと認められた品目が指定されます。指定されると総審査期間の目標が通常の12ヵ月から9ヵ月に短縮されます。なお、平成27年4月1日付薬食審査発 0401 第6号で示されている先駆け審査指定制度の対象品目は含まれていません。先駆け審査指定制度とは、対象疾患の重篤性など、一定の要件を満たす画期的な新薬などについて、開発の早期段階から対象品目に指定し、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取り扱いをすることで、承認審査の期間を短縮することを目的とした制度です。
迅速審査:優先審査とは別に迅速に審査する必要があると当局により判断された品目が対象となります。事前評価済公知申請品目は自動的に迅速審査扱いとなることが通知(2010年9月15日付薬食審査発第0915第3号)により示されています。
学会・患者団体の要望書:申請時または申請中に厚生労働省に文書で提出された要望書を指します。なお、未承認薬・適応外薬検討会議のスキームに基づき、開発要請を受け、承認申請を行った場合も「要望書有り」としました。

医薬産業政策研究所 主任研究員  加賀山 貢平同 主任研究員 白神 昇平東京大学大学院 薬学系研究科 准教授 小野 俊介

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