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臨床試験の被験者レベルデータの共有
-現代的製薬企業であること- それには臨床試験の情報公開プログラムを欠かすことができない
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表3 Policy on publication of clinical data for medicinal products for human use :Policy 0070のまとめ

表3 Policy on publication and access to clinical-trial data :Policy 007022のまとめ

2015年1月の運用開始後には2015年6月にQ&A形式で本ポリシーに関する補足説明[24]が公表されています。

被験者データのプライバシー保護と匿名化技術

最後に、匿名化技術について紹介します。臨床試験に参加する患者のプライバシーの保護は製薬企業にとって極めて重要な義務であり、匿名化技術はCTDSを推進するうえで不可欠です。残念ながらキーになる用語の意味が英語の段階で統一されておらず、さらに翻訳に異なった日本語をあてはめる場合が散見されます。このため、本稿ではAnonymizationを「匿名化」とし、“データセットにある個人のアイデンティティを守るためにするべきすべてを指す包括的な用語“、また、De-identificationを「非特定化」とし、“データ主体を特定(identify)できないデータセットを作成するプロセス“という日本語訳・意味で使用します[25]。また、被験者データのプライバシー保護の議論は、本邦および海外の個人情報、医療情報法制と切り離して考えられませんが、これらは難解な法律論を含んでおり、かつ刻々と変化しているため、詳細は専門の方々の報告[26][27]や協力を得て、フォローしていく必要があると考えます。
 CTDSにおいて共有される「データの科学性維持」と「被験者データのプライバシー保護」の間にはトレードオフの関係があります。これは、非特定化の加工によって生じるデータの変化が意味のある解析を妨げてしまうからです。解析への影響を最小限にとどめ、一方で、使用したデータはプライバシーを保護していると主張できるものでなければなりません。匿名化技術は、これらのバランスを取る技術で、医療情報の利用にとっても、プライバシーの保護にとっても欠かせないと考えられています。

mark [25]
Khaled El Emam. データ匿名化手法 ―ヘルスデータ事例に学ぶ個人情報保護. オライリージャパン (2015/5/23)
mark [26]
佐藤智晶. 東京大学政策ビジョン研究センター. 米国と欧州における医療情報法制をめぐる議論. PARI-WP No. 9, 2013
mark [27]
中川裕志ら. 情報処理2014年12月号別刷「《特集》パーソナルデータの利活用における技術および各国法制度の動向」

STUDY DATA TABULATION MODEL(SDTM)の非特定化標準と関連する報告書

非特定化を実践するには、手順・ルールを検討する必要があります。これらの観点について、複数の団体が検討を行い、たとえば下記のガイドラインや標準(standard)が公開されています。

TransCelerate BioPharma Inc.(TransCelerate): Data De-identification and Anonymization of Individual Patient Data in Clinical Studies-A Model Approach[28]
Health Information Trust Alliance(HITRUST): De-Identification Framework[29]
Council of Canadian Academies(CCA): Accessing Health and Health-Related Data in Canada[30]
Pharmaceutical Users Software Exchange(PhUSE): De-Identification Standard for SDTM 3.2[31]
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