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「第7回 環境技術研修会」を開催
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従来の2004年版から2015年版に移行をしようとする企業は、この改訂を乗り越える必要性がありますが、2004年版のもとで既にこうした改訂点で挙げられている活動を行っている企業も少なくありません。そうした企業にとっては、この対応はそれほど難しくないでしょう。逆に、「ISO14001(2004年版)の求めている要求事項を最低限満たしておけばよい」と考えて活動していた企業にとっては、かなりハードルの高い移行になるかもしれません。

環境法最新動向

環境法の最新動向としては、省エネ法、建築物省エネ法、フロン排出抑制法、ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物特別措置法の改正施行などは相変わらず激しく変化しています。ISO14001の2015年版をうまく活用しながら、法改正に対応し、環境法を順守し続ける体制を構築・運用することが求められています。

●● 氏

■講演3

「災害時における化学物質の管理」

日本製紙株式会社 石巻工場 安全環境管理室 関根 彩

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震災被害と工場復旧

日本製紙の石巻工場は、宮城県の石巻湾岸に1938年に設立され、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプなどの多彩な原料を使いさまざまな種類の紙を生産しています。
 2011年3月11日の東日本大震災の際、石巻市の震度は6強で、その1時間後に大きな津波が到来しました。工場内にいた従業員は、津波が来る前に高台への避難を完了しており全員無事でしたが、工場は甚大な被害を受けました。
 震災直後の3月中は、電気、水道、ガスが未復旧で、家を失った従業員も多く、生活基盤を確保することが最優先でした。3月26日に社長が来場し、『石巻工場の復興』を宣言しました。4月より本格的ながれき撤去、工場内の清掃作業が始まり、8月に蒸気・電気の確保に必要なボイラーを立ち上げ、9月には抄紙機を1台稼働させることができました。その後、生産設備を順次復旧させ、震災から1年半後の2012年8月に工場の完全復興を成し遂げることができました。

復旧時の安全対策

復旧作業では、工場内で多くの人が作業を行いました。がれき処理中は電気がなく、一斉放送設備が使えません。余震も続いており、また津波が来る可能性があるため、入退出管理をしっかり行いました。また、災害時は携帯電話が使えないため、無線機をもち込み、無線機をもった人の声が届く範囲で作業をしました。地震情報、津波情報があれば、無線機を通して一斉に工場内に連絡し、警報が出ればすぐに避難できる体制としました。
 がれきの中という特殊な環境下での作業ですので、安全保護具の準備もしっかりと行いました。たとえば、がれきの中の釘の踏み抜き防止対策も必要でした。
 腐敗した原料が残ったタンク、汚泥が堆積しているピット周辺では、防毒マスクや毒性ガス検知器を用いて慎重に除去作業を行いました。

震災時の化学物質の状況

当工場には、薬品タンクが数多くあり、震災直後は工場内危険薬品のリスト、マップを作成しました。そして、がれきを撤去し、アクセスできるようになった場所から状況を確認しました。
 薬品タンクからの漏洩による2次被害はありませんでした。木造家屋が流されてしまうほどの強い衝撃をもたらした津波でしたが、タンクの基礎は強固で、タンク自体が破壊されることはありませんでした。
 薬品タンクのうちの1個所で薬品の漏洩が確認されましたが、幸いなことに防液堤内にとどまっていました。防液堤の設置は、漏洩を防ぐのはもちろん、外部からの衝撃を和らげることにも役立っており、非常に有効な対策であると感じました。
 倉庫に保管されていた危険薬品は海水を被りましたが、着火しないよう細心の注意を払って搬出を行いました。PCB入りトランスや重油タンクからの漏れはなく、また、少量の毒物は金庫に入っていたため流出はありませんでした。復旧作業中は、危険薬品に対して随時パトロールを行い、異常が起きていないか確認をしました。

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