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「2016 ライフサイエンス知財フォーラム」をバイオインダストリー協会と共催
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奥村 洋一 氏

■講演 3

転換期に近づいてきたライフサイエンス産業分野の特許制度運用

日本製薬工業協会 知的財産委員会 委員長 奥村 洋一

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産業界側から、現在の医薬業界における特許の活用が今後もずっと続けられるかという問題提起として、各国の知財状況、技術の転換期、今後特許権をどう活用していくかについて話します。
 製薬業界はくすりの売り上げを投資回収にあてて新薬の研究開発費に回しており、これはくすりの売り上げにおいて知財がうまく働いていることを大前提としたビジネスモデルです。
 しかし、各国の知財状況として、特許の強制実施権の設定、侵害訴訟における特許権の効力の制限、用途発明などの特許性の否定、そのほか各国においていろいろな医薬の特許権を制限する制度や法規定があります。製薬業界としては特許権が医薬開発に重要であることを主張していかなければならないと考えています。またアメリカにおいても発明が特許として守られないといった製薬業界に逆風の判決が出ています。日本においても治療行為は依然として特許化できない状況です。
 現在、医薬業界は転換期を迎えており、個別化医療、再生医療、遺伝子診断などが行われるようになっています。患者治療の現場近くに出ていかないと患者に新しい薬物や治療方法を提供していく環境であり続けることが難しくなっています。先端技術に対してどのようなビジネスモデルが製薬業界にマッチするかが重要となってきています。技術の進歩だけでなく、世界の医薬の売り上げ上位の多くをバイオ製剤が占め、そのほとんどがアメリカで開発されているところや、アメリカにおけるバイオ製剤についての長期データ保護期間(12年)は間接的に開発のインセンティブの1つになっているといえるのではないでしょうか。このように制度が産業界をリードしていくといったこともあるといえます。また再生医療については製造方法なども含めて1製品に複数の特許が用いられるといわれており、これまでの製薬業界のビジネスモデルが崩れる可能性があります。
 患者にくすりを届けるには事業化が必要であり、事業化のためには特許が必要です。ただ、プラットフォームの基礎技術については、独占すると特定会社のみからしか発明が生じなくなることからコンソーシアムなども行われています。特許の権利行使の状況としては知財訴訟の専門家、特に製薬会社を代理してくれる弁護士が不足しています。海外の企業からよく日本において代理人をどのように探せばよいかといった相談を受けます。さらに、日本の裁判は海外からは不透明と受け取られているようです。透明性を上げることで海外からの信頼性も高まっていくと思います。
 今後、世界各国において強い知財を確保し、イノベーション促進のために特許権を得て、事業化のツールとして特許を使用していかないといけない、また使用を促すような判例が多く出ると良いのではないかと思います。

パネルディスカッション

~ライフサイエンス産業発展のための特許制度とは~

●コーディネーター 奥村 洋一
●パネリスト 相澤 英孝、 塚原 朋一、 北村 弘樹、 片山 英二

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パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

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