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「2016 ライフサイエンス知財フォーラム」をバイオインダストリー協会と共催
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近年、日本の特許出願件数は微減傾向です。このため、日本企業の国際競争力が落ちているという声もありますが、必ずしもそうではなくいわゆるオープンクローズ戦略の策定などにより日本企業の出願戦略が変わってきているものと理解しています。たとえば日本における現存の特許保有件数は、内国出願人、外国出願人ともに増加傾向にあり、特許出願件数以外の指標でみるとビジネスにおける特許の役割がますます大きくなっているといえます。
 現在、特許庁では、世界最速・最高品質の特許審査の実現に向けて種々の施策を行っています。審査のスピードについては権利化までの期間の短縮を目指しています。また、品質管理を通じた質の向上については外部有識者の方からも評価をいただいています。さらに、分野横断的に審査をする事業戦略対応まとめ審査により多様なニーズに応じた迅速な審査を実施しています。
 国際的な権利取得の支援として、2015年8月から日米協働調査試行プログラムを開始しました。このプログラムに参加することにより、約半年後に日本とアメリカの特許庁から最初の審査結果が送付されることとなります。また、日本が提案した特許審査ハイウェイには、現在39ヵ国・地域が参加してきており、世界的に広がっています。特許制度調和については、まずは先進国内で議論をしています。経済連携協定交渉などを通じ、先進国、途上国の知財の制度の基本的な枠組みを作っていく予定です。
 新しく導入した制度として、特許異議申立制度はこれまでに600件程度の請求がありました。さらに、音、色などの新しいタイプの商標出願の受付を開始しました。また、ハーグ協定ジュネーブ改正協定に加入したことにより、意匠の国際登録制度が利用できるようになりました。
 昨年、審査基準を大々的に改訂しました。海外のユーザーに対してもわかりやすいものにすべく、平易で明確な表現とし日本語だけでなく英語でも作成しました。今後、ASEAN諸国などにも発信していきたいと考えています。再生医療等製品の特許権の存続期間の延長、延長登録出願に関する最高裁判決にかかわる対応、プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する最高裁判決への対応につきましても迅速に対応しています。また、食品の用途発明についても改訂審査基準を近々公表する予定です。
 最後に、日本は、アメリカに比べると知財の活用がまだ上手くない部分もあるといわれますが、ライフサイエンスを含む医薬品産業に頑張っていただければ、最初にお話しした技術貿易収支の黒字がますます拡大し、グローバルなイノベーション・サイクルを大きく回していくことにより、日本の発展につながるのではないかと考えています。

北村 弘樹 氏

■講演 1

ライフサイエンス産業発展に向けた知財紛争処理システム活性化への取組

内閣官房 知的財産戦略推進事務局 内閣参事官 北村 弘樹

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知財紛争処理システムの検討は、2013年に知的財産戦略本部(知財本部)で決定された「知的財産政策ビジョン」の中に職務発明や営業秘密などとともに今後の検討項目としてビルトインされていた残された大きな論点の1つです。2015年6月に策定された「知的財産推進計画2015」では、重点3本柱の1つとして盛り込まれました。
 わが国の知財訴訟件数は諸外国と比べて少なく、勝訴率も低い状況です。制度などが異なる中、これらの数値を単純比較しても意味がないとの指摘もありますが、各国と比べて日本だけが特異値を示すのであれば、その背景などを検証することは必要ではないかとの問題意識のもと、知財本部に知財紛争処理システム検討委員会を立ち上げ、差止請求権、権利の安定性、証拠収集手続き、損害賠償額などについて、それぞれ検討を行って方向性を整理してきました。
 差止請求権については、標準必須特許やPAE(いわゆるパテント・トロール)の場合でも、当面、法改正により一律に制限を行わず、引き続き注視していくことと整理されました。
 権利の安定性については、訂正審判請求を伴わない訂正の再抗弁や専門官庁によるレビューの機会の拡大としての求意見などについて、具体的に検討を進めることが適当であると整理されました。

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