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日本臨床薬理学会海外研修を終了して
—カナダと日本の仕事の両立は大変でした—
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また、川崎病既往患者の詳細臨床情報とDNA検体を同時に収集することによって川崎病の病因・病態・新規治療法を見いだすことを目的とした川崎病遺伝コンソーシアム(http://raise.umin.jp/jkdgc/)の運営にも前々任地の群馬大学小児科スタッフとともに取り組みました。1300例を超える検体を収集し、学問的なOutputも共同研究者の尽力によって複数出てきました。
 学問的な分野では小児冠動脈内径標準値作成のための多施設共同研究(Z Score Project、http://raise.umin.jp/zsp/)、内径Zスコアによる川崎病冠動脈瘤の重症度の評価(Z Score Project 2nd Stage、http://raise.umin.jp/zsp2/)といった大規模多施設共同研究の運営と解析に関与しました。「米国心臓病学会」の川崎病ガイドライン改訂のメンバーに選ばれ、留学中から北アメリカのガイドライン改訂にも携わっています。そのほかにも日本の友人や先輩の研究者から共同研究者としての参加の依頼が複数あり、データ提供や結果の解析を通じて循環器・呼吸器・血液疾患の研究に貢献することができました。トロントで知り合った仲間の研究支援、日本の循環器、集中治療、救急、血液、新生児といった小児科の各分野における新プロジェクトの立ち上げにかかわらせていただきました。正直プロジェクトに一貫性はないのですが、異なった患者集団、研究デザイン、解析方法に思考をめぐらすことは単純に楽しく、この経験が現在所属する研究支援部門に異動するきっかけになったように感じています。

トロントでの生活を振り返り

トロントでの研究生活は、留学前の2年半の間に行っていた研究をどのようにか継続しながらトロントでの仕事でも成果を出し、日本に戻った後もトロントでの仕事を継続しつつ新たに発展させることを大きな目標としていました。トロント在住時、日中はトロントの仕事、夜と早朝は日本の仕事を行い、日本とトロントから同じ量の仕事とメールが届く中で身体は1つという正直苦しい状況でしたが、家族や友人、Supervisorの伊藤先生のサポートもあってなんとかやり遂げることができたと感じています。個人的には留学という経験はつらい環境に身を置くことによって自分の殻を破る機会を得ることがなにより得がたいことと考えています。留学することによって自動的に自分がSkill upするわけではなく、つらい環境を克服する努力をした研究者の中で運が良かった研究者のみが、望むような結果を得ることができるのだと思います。尊敬できるSupervisorに出会い、本学会の海外研修員として留学する機会を得た私は幸運でした。今後一人でも多くの研究者が海を渡って研鑽を積んで日本の臨床研究レベルを向上させるような活躍を期待しつつ、そのような人材を育成できるように自らを律していく所存です。

おわりに

私のトロント留学にあたって多大なるご支援を賜りました製薬協ならびに日本臨床薬理学会の関係者のみなさま、Supervisorである伊藤真也先生に心から御礼を申し上げます。

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