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「第125回 医薬品評価委員会総会」を開催
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AMED 理事長の末松 誠 氏
AMED 理事長の末松 誠 氏

(2)AMED理事長の末松誠氏から、「日本医療研究開発機構のミッションと展望〜難病研究開発推進による課題解決〜」と題した講演がありました。
 2015年4月よりAMEDが発足しました。医療分野の研究開発における基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進、成果の円滑な実用化、および医療分野の研究開発のための環境の整備を総合的かつ効率的に行うため、健康・医療戦略推進本部が作成する医療分野研究開発推進計画に基づき、医療分野の研究開発およびその環境整備の実施、助成などの業務を行うことがその目的です。
 医療分野研究開発推進計画では9つの重点施策が成果目標とともに示されており、その1つである「難病」に係る取り組みとして、AMEDは「未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases、IRUD)」を立ち上げました。有効な検査・治療法が見つからない、その疾患の専門家がほとんどいないなど、さまざまな困難に直面している希少・未診断疾患の患者さんの診療に必要な体系的医療システムと患者情報を収集蓄積・開示するシステムの構築、そして研究開発の促進を目指すものです。
 また、AMEDは、2015年7月、未診断疾患に対する取り組みを進めているイギリス、アメリカなどの国々が参加する国際希少疾患研究コンソーシアム(International Rare Diseases Research Consortium、IRDiRC)に加盟しました。数ある医療研究の領域でなぜこの領域からスタートを切ったのかといえば、医師の間でのデータシェアリング、統一的に動く治験審査委員会(Institutional Review Board、IRB)の仕組み、1人の患者さんの診断を正確につけるために必要な「人の輪」、限られた研究費を多彩な疾患の解明に効果的に使うための高額機器の共有など、ほかの研究領域でも求められる制度改革の課題が集約された領域でもあるからです。

第3部:対談

AMED理事長の末松氏、PMDA理事の長野哲雄氏、山梨大学 副学長の岩崎甫氏、製薬協 医薬品評価委員会の稲垣治委員長の4名により、座長を務める川原章専務理事のもと、活発な対談が行われました。
 対談に先立ち、長野氏より、2015年8月19日に締結したAMED-PMDA連携協定についての紹介がありました。AMED-PMDA連携協定では(1)薬事戦略相談の活用、(2)AMEDの研究評価への協力、(3)臨床研究・治験環境整備に関する相互協力、(4)情報の共有、この4つに重点を置いているとし、連携状況についても実例を挙げ説明がありました。
 対談では、岩崎氏よりアカデミア研究者の最近の変化として、自らの研究を論文として早期に世に出すだけにとどまらず、医師として研究の成果を早期に患者さんに役立てたいとの思いは以前より非常に強くなってきており、AMEDの支援を受け実用的な対応を行いだしている状況についての説明がありました。ただ、アカデミア側は研究と実用化のバランス、論文と知財のバランスなどに理解が薄い傾向にあるので、今後はそのバランスをどのようにとるかが重要であるとしました。稲垣委員長は、まずAMEDがさまざまな死の谷を克服する努力をするとともにAMED-PMDAの連携協定による研究開発の支援策に敬意を示し、そのうえで、アカデミアはAMEDのファンディングにより研究を進め、かつ連携協定により、実用化に向け適切な方向性に導かれ、その研究成果が企業で活用可能となることを期待していると述べました。
 また、稲垣委員長は知財管理も重要となることから、連携協定による知財戦略にも焦点をあてて対応してほしいとの見解を述べました。その知財管理について末松氏は、AMEDとしても知財は重要としての認識から知財管理は進めているが、まだまだ改良の余地があるとして、知財管理には、将来の利用価値まで予測できる知財の専門家が必要であるとの考えを述べました。
 岩崎氏は、ノーベル賞受賞者の大村智氏が語った知財の価値最大化の話しを紹介しました。大村氏の特許に関してアメリカに大村氏を招聘した先生から契約方法のアドバイスを受け、「契約方法をロイヤルティー方式に代えたことにより、当初示された一時金3億円が総額で200億円になった。特許とは自分の研究をさらに進めるためのお城をつくる(研究費獲得)ようなものだ」と、教えられたとのことでした。
 また、連携協定により強く意識されてくるようになってきた出口戦略について、稲垣委員長から、連携協定によりAMEDからPMDAに最新の研究開発動向などの情報を提供することにより薬事戦略相談の効率化に結び付けてほしいと要望し、長野氏は、アカデミアは薬事戦略相談をもっと有効に活用してほしいとしました。また、今後の産学官での率直な意見の交換の必要性について、産学官が一堂に会しながらフリーにディスカッションすることが非常に重要との見解が示され、最後に今回のような機会も大切にして、企業側としてもいろいろな集まりに参加するとともに、今まで以上に頑張らねばならないと、川原専務理事より本対談のまとめが行われました。

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