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「第1回 コード・コンプライアンス管理責任者/実務担当者会」を開催
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日本企業に対する各国競争法の執行状況

日本企業のグローバル化が進むなか、競争法の導入国(地域)も増加しており、企業にとって競争法の遵守および競争法のリスクをコントロールすることが重要となると説明しました。さらに各国当局は市場からのカルテルの排除に取り組んでおり、日本企業は外国の当局から莫大な制裁金を課せられている例を紹介しました。
 そして、その背景には、各国がリニエンシー制度(カルテルに関与した企業が自主申告することにより制裁を減免される制度)を導入し、企業も他社より先に自主申告しようとこれを積極的に活用している状況があり、これによって、連鎖的にカルテルの摘発が行われていることを説明しました。

競争法違反により企業が失うもの

上記のとおり、競争法違反によって企業は、当局に対する多額の制裁金、株主や取引先にからの損害賠償請求、現地弁護士を含む弁護士費用、社内調査などの内部コストの支払いなど、財産的な損失を受けますが、このほかにも企業の経営資源に大きなリスクがもたらされると述べました。具体的な例として、懲戒処分による役員や社員の解雇による人材の損失、当局や訴訟対応および社内調査に膨大な時間がかかることや、取引先からの取引停止の申し入れおよび官公庁の入札要件の剥奪などによる取引機会の喪失、これに加えて企業が長年築き上げてきた社会的評価や信頼の喪失などについて指摘し、コンプライアンス経営の重要さについて再認識を促しました。

最近の競争法執行の傾向と留意点

最近の競争法執行の傾向と留意点として、競争法の域外適用により日本企業であっても外国競争法を遵守すべきこと、各国で違法要件や事実認定手法が違うことを意識し、外国では日本の商慣習などが通用しない事態がありうること、リニエンシーや弁護士秘匿特権などの制度の違いを理解したうえで対応への工夫が必要であること、特にアメリカでは、違法行為への関与が疑われる役職員個人に対して刑事罰が積極的に活用されていることについて説明しました。

競争法コンプライアンスの取り組みの具体例

すでに多くの日本企業が違反行為の未然防止を目的とした競争法遵守マニュアル作成などに取り組んでいますが、日本国内の行為であっても外国で摘発、起訴されかねないことを経営者層が理解しているか、ヨーロッパ、アメリカでの制裁が厳しいことは認識しているがそれが日々の自己の言動と結び付いているか、役員レベルの行為をいかに監視しけん制していくかなどが、次の課題だと述べました。そして、リスクがどこにあるのかを企業ごとに判断し、危ないと思われるところには重点的に手当てすることが今後ますます必要になってくるとし、その際には、最近の各国当局の競争法の執行傾向を踏まえることや、日頃より当局が公表するガイドラインなどを参照し、ルールに則って行動することが望まれると述べました。

競争法コンプライアンスの体制整備強化に向けての具体的な取り組み

企業におけるコンプライアンスの取り組みは、主に予防、違反の発見、発覚後の対応を3本柱として構築されることが多いとしたうえで、予防としては、すべきこと、すべきでないことを細かく定めるコンプライアンスルールの策定に加えて、親会社責任を意識した子会社管理を進めること、外国における秘匿特権の主張に耐え得る文書管理が重要であることを述べました。違反の発見については、違反行為の発見よりも前、すなわち違反かどうか疑わしい行為が発覚した場合の初動として、素早く社内情報を収集し判断する体制を整えること、速やかな弁護士の起用など、後に秘匿性を主張できるような措置をとることが必要になると述べました。また、違法行為の発覚後は、各国法や各国当局の執行傾向、民事訴訟の動向に合わせて戦略的かつ適切な対応をとることが必要だと述べ、それぞれについて具体的な事例を紹介しました。
 次いで事業者団体の活動について、必然的に競合他社との接触が生じるとの認識のもと、そこでの不適切な情報交換やこれを誘発する人間関係の形成をしないように気をつけることが必要だと述べました。
 最後に、日本あるいは外国で事業活動をしていく際、利益や売り上げの増加、サービスや製品の品質の向上に加えて、今後は競争法コンプライアンスもしっかりと認識し対応いただきたいと締め括りました。

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