製薬協について 製薬協について

市民・患者とむすぶ

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
171号タイトル
市民・患者とむすぶタイトル画像
前へ123次へ
2015年度「第2回 患者団体アドバイザリーボード」を開催
患者団体と企業のよりよい協働に向けて意見を交換
line03 line03 line03

深野氏は、「未承認薬使用問題検討会議」や「小児薬物療法検討会議」、またその後、それらをまとめて設置された「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において検討され、開発要請または開発の公募があった未承認薬等のこれまでの開発状況を示し、特にこの7年余りの期間でドラッグ・ラグが大きく改善されていることを説明しました。「未承認薬使用問題検討会議」は2009年までに22回開催され、未承認薬45品目の開発促進、承認審査ラグの解消につながり、また、「小児薬物療法検討会議」は2009年までに6回開催され、適応外薬8品目の開発が促進されました。
 2009年以降は、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、第1回要望から2013年の第3回要望3期までに計810件の要望が検討されています。同検討会議ワーキンググループにおいて医療上の必要性や基準の該当性などが検討・評価され、それが認められた品目については、厚生労働省が関連企業に開発を要請するか、開発企業を募集します。「このスキームを着実に実行することにより、未承認薬等の解消は大きく進展している」と、深野氏は述べました。具体的には、第1回会議において開発要請のあった183件のうち92%は薬事承認済み、第2回会議において開発要請のあった95件のうち73%は薬事承認済みであり、そのほかの開発要請品についても申請済み、治験中、治験計画中のいずれかの段階にあり、開発要請を受けた企業はそのすべてに対応していることが示されました。
 また、開発の進まない14成分等の解消や審査体制強化などを目的として、国が造成した「平成21年度未承認薬・新型インフルエンザワクチン等対策基金」が設置され、その資金管理等を担うPDSCの取り組みも紹介されました。この基金による未承認薬関連支援事業では、13成分の薬価収載・販売等につながり(1成分は開発計画中)、また、新型インフルエンザワクチン事業では、最終ゴールである新型インフルエンザウイルスによるパンデミックに備えた体制整備を目的とする事業が進められています。
 また、国は未承認薬スキームの新たな進展として、これまでの取り組みは欧米の後追いだったが、今後は世界に先駆けて革新的な医薬品・医療機器の実用化を促進すべく、要望の対象が一定の基準を満たす欧米未承認薬にまで拡大されていることも説明されました。最後に、「未承認薬は解消されつつあるが、決してゼロになることはない。未承認薬を必要とされている患者さんが治療薬にアクセスできるよう、今後も真摯に取り組んでいきたい」と、深野氏は力強く述べました。
 深野氏によるPDSCの取り組みの説明を受け、その後、活発な意見交換や質疑応答が行われました。アドバイザーからは、「未承認薬や適応外薬の情報を、会報誌などを通じて会員に伝えることにより、それが患者さんから主治医に伝わり、医師から学会に伝わり、最終的に要望の提出につながることもあるので、患者団体のみなさんは会員に適宜情報を伝達し、患者さんの意識を高めることが重要である」との意見が挙がりました。また、そのような要望が治験へつながっていくことへの期待が寄せられました。
 がん領域においては、「ドラッグ・ラグはまだまだ解消されていない」、「余命数ヵ月の患者さんは治療薬の開発まで数年も待てない」等の切実な声も聞かれました。また、「希少疾患の治療薬の開発は国がけん引しなければ、患者さんのもとにはなかなか届かないのではないか」と、開発が企業に任されている現状を懸念する声も挙がりました。製薬協側からは、「患者レジストリが構築されていれば、企業はより迅速に治験を実施することができ、患者さんにより早く治療薬を届けることができる」と、患者レジストリの環境整備の必要性が示されました。
 また、企業が患者さんと意見交換を行い、患者さんのニーズを直接聞き取る機会を政府が設定している海外事例やそれが臨床試験の設計に至っている海外事例が取り上げられ、「日本においても企業と患者団体のみなさんがオープンにディスカッションを行う場を設けてはどうか。両者が一緒に考えることが必要である」と、アドバイザーからの提案もありました。これに対し製薬協の田中徳雄常務理事は、「数多い規制や過去に起こした薬害問題を背景として、これまで企業は患者さんと十分なコミュニケーションを図ってこなかったが、今はそのような時代ではない。より積極的に患者さんの声に耳を傾けるべく、このアドバイザリーボードを通じて検討していきたい」と述べました。

前へ123次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ