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「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「医療におけるビッグデータ:今後の展望と活用」
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図3 本研究で使用する各種データの特徴について

図3 本研究で使用する各種データの特徴について

国内の医療データベースは急速に発展していますが、それぞれの運営母体も原資料からの収集方法も異なっているため、データの妥当性の評価(バリデーション:ある方法が正しいことを確認する過程)が大きな課題となります。
 レセプトデータベースは、あくまで保険金支払い請求を目的として構築されており、研究目的としてデータ入力されているわけではありません。たとえば、レセプト情報では「心筋梗塞」とされていても、診療情報(カルテ)と突合すると実際の病名は異なることがよくあります。このため、本当に心筋梗塞ならば行われていただろう治療(心臓バイパス手術や心臓カテーテル手術など)が実施されていることを確認して、心筋梗塞と定義し直します。このような地道な作業が、データベースを利用した研究には必要になります。
 この数年間で、日本の医療ビッグデータを巡る環境は大きく変わり、数年前は世界から3〜4周遅れだったのがいまや1周遅れまで取り戻し、一部の領域では世界の先頭を走っていると感じています。たとえばNDBの潜在的価値は超高齢者を含む高齢者に国民皆保険制度の下でどのような医療が行われているのか、一億人規模の人口を擁する国で解明できる現時点で世界唯一かつ最大のデータベースです。DPCのデータベース、そして日本外科学会などによる数百万件の手術例が登録されたナショナルクリニカルデータベースなど、単品のデータベースとしては世界最大規模です。これらがほかのデータベースとつながれば、その価値は飛躍的に高まるでしょう。

4)展望と課題

ビッグデータにはいくつかの意義があります。
 1つ目は、限られたデータでは見えない関係を見出すことです。タバコとがんの関係はわかりやすい事例でしょう。個々人を見るだけでは、非喫煙者でもがんになるし、喫煙者でもがんにならないというバラつきが目立ってしまいます。しかし、喫煙者100人と非喫煙者100人を比較してがんの発症率を比べれば一般的な関係が見えてきます。データの規模が大きくなれば、多くのリスク因子を精密に解明していくことができるでしょう。
 2つ目に、データの母集団が大きいことによって、性別、年齢、地域、さまざまな背景に基づいたサブグループ(セグメンテーション)の設定が可能となり、属性別により詳細な分析をして、きめ細やかな基準値の設定や治療の方針の検討に役立てることもできます。

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