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アメリカのPrecision Medicine Initiative
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表1 ファクトシート(Precision Medicine Initiative)の概要

表1 ファクトシート(Precision Medicine Initiative)

アメリカが進める医療戦略

アメリカはPrecision Medicineの推進をアメリカの科学技術・イノベーションの重要テーマとして位置付けました。この施策は、がん治療を始めとする医療の革新を進め、また将来の医療費の増加を抑え、そしてこの生命科学分野のイノベーションをいち早く取り込んで今後の成長産業を創生するといった複数の目的を持っています。
 もちろん、この大統領発言が唐突に発せられた訳ではありません。すでにNIHでは2013年からBig Data to Knowledge(BD2K) initiativeが始まっていて、NIHは医療データの「Data Science」を推し進める中心機関となるCenter of Excellence for Big Data Computing(COE)をアメリカ国内11カ所に創設しています[4] 。またその「Data Scientist」の人材養成プログラムにより人材の増員を図り、Data Discovery Index(DDI)コンソーシアムを創設して、データベースの整備や活用のしやすさの開発にも力を入れています。
 NIHが支援する関連プロジェクトとしてElectronic Medical Records and Genomics(eMERGE)コンソーシアムが作られていますが、ここでは電子カルテ(Electric Medical Record、EMR)と遺伝子情報の統合・活用を進めようとしています。2007年からの4年間(フェーズI)での根本的な課題は「EMRシステムがゲノム解析のための情報リソースとして活用できるか」ということでしたが、コラボレーションネットワークを確立することに成功し、2011年からフェーズII(2015年7月まで)に移行しています。現在の重要な目標は「遺伝子検査をEMRに組み込む際の諸課題の対応」であり、遺伝子を始めとした生体分子情報の臨床での活用を向上するための最善の方法を研究しています。eMERGEコンソーシアムメンバーであるアメリカのフィラデルフィア小児病院やメイヨークリニックといった病院では個別化医療の取り組みが始まっています[5]
 NIHのFrancis Collins長官は「ビッグデータの時代が到来した。NIHがこの革命を作り上げる。指数的に増大するさまざまな種類の生命医療関連データに対するアクセスの統合・分析にNIHが主導的な役割を果たす」と、これからのゲノム・オミックスなどの生命医療データを活用した「Data Science」の重要性と推進の決意を述べています。
 Precision Medicineを進めるためには、いわゆるゲノム・オミックス医療の推進が必須ですが、その指標となる遺伝子検査の状況を見ても、すでに世界的にアメリカの優位な現状が見えています。

mark [4]
BD2Kinitiativeの「Data Science」の中心となるCOE11施設を巻末に記載している(資料1)。




mark [5]
eMERGEコンソーシアムの参加施設とそのPersonalized Molecular解析の状況を巻末に記載している(資料2)。
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