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「安全衛生技術研修会」を開催
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次に「統合報告書」についてお話をします。2014年4月に欧州議会は、従業員500人以上のEU域内企業に非財務情報の開 示を義務付けるEU指令を発行しました。EU加盟各国は2年以内に国内法を整備し、対象企業は開示を求められます。 その 背景には投資家が非財務情報を求めているということがあり、CSR活動が企業の経営戦略上どのような価値をもつのか、 CSR活動が企業の将来価値にどのような影響を与えるかが報告書に求められる内容となります。
 こうした動きの中で多くのグローバル企業がサプライチェーン全体でCSRに配慮するという傾向が非常に強くなってきてお り、サプライヤーCSR監査も行われますが、日本の安全管理は、個別のプログラム、システマティックな科学的要素が欠落し、 アメリカ・ヨーロッパのマネジメントシステムの考え方は入ってきましたが、それらが反映されていないのが実態です。一方、 かつては素晴らしい企業文化であった職長がきちんと部下をケアして、職場全体で安全管理をしていくということも現在では 尊重されなくなってきました。今の日本のEHSはアメリカ・ヨーロッパと日本の「悪い処取り」をしているといわざるを得ない状 況です。それを「良い処取り」に変える必要があると思います。アメリカ・ヨーロッパの良い処というのはプログラムであり、 日本の良い処は、職場の安全文化ということになるでしょうか。
 事故があれば必ず対策を講じますが、そこには風化というダウンフローが吹いてきます。風化という風には、仕組みとし て安全側に押し上げるマネジメントシステムが重要になります。そのためには、リスク管理プログラムも必要になりますし、 安全文化も必要になります。
 ともすれば「悪い処取り」の安全衛生の文化を、ぜひとも「良い処取り」に変えていただきたい。そのためにもリスク管理プ ログラムの充実を図っていただくことと、常に部下には関心をもっていただいて、企業の安全文化が向上していくような安全 管理を目指していただければと思います。

黒崎 由行 氏

|講演2|

交通安全セミナー
〜近年の交通事故の特徴と企業がとるべき対策〜

東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 主席研究員 渡部 真吾

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全国の交通情勢は、交通事故死者数(2014年は4113人)が14年連続で減少し、過去最 多であった昭和45年(1970年)の交通事故死者数191万6765人と比較すると4分の1を下回 るまでになりました。
 一方、製薬業界においては、MRの交通事故削減に向けてさまざまな対策を講じていま すが、思うような削減効果が得られず、各社の安全運転管理者は頭を悩ませている現状が続いています。
 本講演では、製薬業界のリスク実態を改めて認識いただくとともに、新たなキーワードとして健康管理に起因する事故(健 康起因事故)の発生事例と各企業に求められる対策を検討します。

第1章

東京海上グループが保有する製薬業界のリスク実態を紹介し、自社のリスク実態と比較して自社の課題を再認識していた だくことを目的としました。
 製薬関連業界の事故発生率は、全業種平均の約2倍です。車両1台あたりの事故発生率では、自車に損害が発生している 事故が多くなっています。また、バック事故と追突事故で事故全体の約40%を占めています。年代別では、20代の事故総 件数が全体の約40%を占めています。新人MR1人あたりの年間事故率は、70〜80%前後で推移しています。この傾向は、 企業規模が大きい事業者ほど新人MRの事故率は増加する傾向にあります。
 安全教育を行っても事故を繰り返すMRは一定程度存在します。事故多発MRが起こした事故の割合が全体の25%以上を 占めるようであれば、個別の対策を講じることが望まれます。
 製薬業界での一般的な事故への取り組みは、(1)初任MR対策としての本配属前の研修(適性検査、講習会、実技研修など)、 (2)事故発生後の再発防止(面談、教習所など)に集中する傾向があります。この場合に、研修期間から事故発生までの間に、 事故削減・安全教育の空白期間ができてしまうことが懸念されます。この期間にも継続的な安全教育が必要です。

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