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「第39回 環境安全講演会」を開催
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投資家のCDPデータの活用状況

CDPのデータは投資関連の活動に有用な情報として広く利用されています。日本でのカーボンインデックスはまだできていませんが、将来的にできるものと期待しています。
 投資家(買い手)においては、CDPデータを見て、回答していない企業を投資対象から除外した例があります。また、ノルウェーの公的年金運用機関のNorges Bank Investment Management(NBIM)が、CDPデータを内部の環境・社会・ガバナンス(ESG)プラットフォームに導入し、企業のリスク評価分析に利用しています。
 上述の通り、投資家は、企業の水リスク(水の利用可能性、水不足、コミュニティとの対立など)に関心をもっており、企業は自社とサプライチェーンにおける水リスク管理をどのようにしているか、現在から将来において必要な水の量と質を確保しているかなど、しっかりとマネージメントすることが重要になっています。
 森林については、投資家NBIMが森林伐採に関する投資ポリシーに合った活動をしているかを見て投資判断をしています。NBIMは2013年に2つの木材関連企業と、23のパーム油関連企業への投資を取りやめました。
 CDPではCDPデータをより投資家に活用してもらうために、2015年は財務的な観点も考慮した分析レポートを、対象セクターを絞り3ヵ月ごとに発表しています。

責任投資家の潮流

投資家は環境、社会、コーポレートガバナンス(ESG)の問題が投資パフォーマンスに影響を及ぼすという認識をもっています。また機関投資家によるスチュワードシップ活動の世界的な進展もあり、各国でスチュワードシップコードが作成されています。日本では2014年2月に金融庁が日本版コードを作成しました。
 また、最近の潮流としてPRI(責任投資原則)の進展があります。PRI は6つの原則から構成されますが、原則2はスチュワードシップコードと深く関連しています。日本版スチュワードシップコードは基本的に日本の上場株式に投資する機関投資家を念頭に置き、資産保有者としての機関投資家Asset owner(AO)とInvestment manager(IM)を対象とし、7つの原則から構成されています。この日本版スチュワードシップコードは、日本再興戦略が2013年6月 14 日に閣議決定され、産業競争力会議の中で出てきた活動の一環です。また、2015年に金融庁によりコーポレートガバナンス・コードが策定されました。最近の国際会議の場では、日本において、この1〜2年で投資方向が変わったといわれています。
 このような動きは企業にとってチャンスです。そのためにバランスの取れた比較可能でより良いESGデータを開示する必要があります。もう一方で、年金基金への働きかけとして労働組合を通して、連合の「ワーカーズキャピタル責任投資ガイドライン」が2010年12月から出ていますが、年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund、GPIF)が責任投資に動き出したことから、改めてこのガイドラインが脚光を浴びています。

おわりに

国連事務総長の潘基文氏は、「CDPの詳細なレポートは、世界中の企業がそれぞれの温室効果ガス排出を測定、管理、開示し、最終的に削減を促進することに貢献しています。 このような企業の気候変動に関するデータを収集し、市場に提供している機関はCDP以外には存在しない」と述べています。
 また、UNFCCC事務局長のクリスティアーナ・フィゲレス氏は、「患者の健康を知るために必要なX線が当時の医学を将来に導いたように、CDPはビジネスを将来に導くものである」と述べています。また、「国が炭酸ガス削減の目標を出すために産業界が前向きでないといけない」とも述べています。
 環境問題については、今後も世界中で取り組みの促進が予想されることから、企業が長期的な視野で戦略に落とし込む必要があると思われます。

環境安全委員会 遠藤 真一

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