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単一の病原体として世界的に死亡者数が多いものが後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome、AIDS)、結核、マラリアで、これを三大感染症と呼びます。国ごとの10大死亡要因を比較するデータをみると、明らかに貧しい国ほど感染症による死亡率が高く、特に三大感染症は貧困国にとって深刻な問題となっています(図3)。

図3 10大死亡要因のグラフ

図3 10大死亡要因のグラフ

日経アジア感染症会議では40年ぶりの抗結核薬である大塚製薬から出たデラマニドが話題に上りました。これは日本で唯一の多剤耐性結核薬で、現在は結核に限定されていますが、副作用で標準的な抗結核薬を使用できない場合などにも適用が拡大されることが期待されています。
 マラリアに関するWHOの2013年度データでは97の国で1億9800万人が感染し、58万4000人が亡くなったと報告されています。そのうちの90%はアフリカの患者さんで、さらにその78%が5歳以下の子供でした。ただし、マラリアの専門家たちの間では、実際には100ヵ国で100万人以上が亡くなっているのではといわれています。薬剤耐性の問題がマラリア制圧をいっそう困難にしており、かつて日本で使っていた、クロロキン、スルファドキシン、ピリメタミン、メフロキンといった薬はもはや有効性がかなり低くなっています。現在はキニーネとテトラサイクリンのコンビネーションセラピー、あるいはアルテミシンから抽出した成分とのコンビネーションセラピーが有効な治療薬であり、これらの薬に対する耐性を作らせないというのがWHOの目標となっています(図4)。特にアルテミシンとのコンビネーションセラピーに力を入れており、複数のパートナードラッグをもたせることで、万一、遺伝子変異が起きて耐性ができても対応できるようにしています。
 輸入感染症については、訪日外国人や日本人の海外渡航者の増加に伴い今後拡大が予想されます。輸入感染症の1つであるマラリアの感染を防ぐには個人の防蚊対策やメフロキンやアトバコン・プログニアルの予防内服などが重要です。

図4 薬剤耐性マラリアの治療

図4 薬剤耐性マラリアの治療

1997年のデンバーサミットにおいて橋本龍太郎元首相が世界的な寄生虫対策を呼びかけたことによって、その後グローバルファンドの組成につながり、日本は第4位の拠出国となっています。そして、安倍晋三首相が医学誌「ランセット」への寄稿の中で、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという言葉を使い、いかにくすりを辺境の地まで届けるかということを強調してくれました。製薬企業の方々には有効なくすりを作るだけでなく、それが見過ごされた(neglectedな)人々に届くような取り組みにも尽力していただきたいと願っております。

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