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リスクに基づくモニタリング(RBM)の
導入上の課題と留意点
 第2回〈最終回〉
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施設から寄せられる質問

ライン

Q. 施設のメリットは何かありますか?

Q. 治験責任医師、CRCの役割は変わるのでしょうか?

ライン
A

治験実施計画書で規定している手順が実施可能か否かは、治験実施施設を選定する際の調査で確認しています。しかし、試験が開始されると施設の普段の業務や診療の手順・習慣と異なる手順に危うく間違えてしまいそうになったという経験をされた方は多いのではないでしょうか。依頼者によって異なる対応が求められ、また、治験実施計画書に特化した複雑な手順や煩雑な手順、未然に問題を防ぐことができたものの、ヒヤリとした経験は誰にでもあるかと思います。
 治験で規定された手順をすべて、普段の業務や診療の手順・習慣に則した手順にすることや、すべての依頼者に共通した評価方法や検査手順で実施することはできません。しかしながら、先に挙げたような問題が生じやすい手順を提示されるとともに、問題を未然に防ぐ方法はないかと事前に検討すれば、施設全体として対応を講じることができるようになり、データの質が現場の担当者のスキルに大きく左右されるというリスクを回避することができます。
 RBMを実践する最大の利点は、治験実施計画書の要求事項やリスクを熟知しているCRAとの質の作り込み活動の機会を得ることができることです。施設において各個人が経験したヒヤリ・ハットの情報を共有することによって、重大な過失を未然に防止する活動が行われているように、RBMによって依頼者が組織横断的に情報を蓄積・共有することで、問題の発生を未然に防止するシステムを構築することができるようになります。
 試験を開始するまでに、各施設の治験環境に適合した、問題が起きることのないシステムの構築が行われ、また、治験責任医師やCRCなどの治験スタッフ、CRA間で重要なデータについての明確な共通認識をもつことができれば、不必要な問い合わせに時間を費やすこともなく、施設におけるリソースを有効に活用することにもつながっていきます。
 システムの構築のために治験を行ううえでのリスクの特定、問題が起こらない手順の提案、そして実行は、施設における通常業務や診療の手順・習慣を熟知した治験責任医師やCRCなど、施設スタッフ以外にはできません。つまり、RBMを実践する、しないにかかわらず、治験責任医師、CRCの役割はこれまでと変わることなく、被験者の安全性を守ったうえで、信頼性の高いデータを作っていくことだと思います。

医薬品評価委員会 データサイエンス部会 根岸 孝博、古野 和城、黒瀬 陽子、篠田 光孝、
杉浦 友雅、高橋 寛明、高橋 博子、村岡 了一

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