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「2015 ライフサイエンス知財フォーラム」を開催
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たとえば、最初に細胞を確立した権利者は、他者が同じ細胞をまったく別の病気に使用できることをみつけた場合、その細胞を使う権利を譲るべきでしょうか。この点については、患者さんや国民経済からみてどちらが良いかを考える、常に国民目線で考える必要があります。
 一方、産業においては改良改善が基本原則であり、基本特許に基づく対価が高くなり過ぎないようにすることも場合によっては必要ではないでしょうか。最近では化合物ライブラリーの共有もはじまりましたが、この場合は、用途の発明のところで差別化することになります。企業がどう考えるかがポイントとなります。

2. 産官学連携・ネットワーク化の課題

日本版のバイ・ドール法では、委託者が権利を取得するのが基本であるところ、受託者である企業が権利を取得できるようにしています。しかしながら、国が一部を所有し強制的に国が実施する、特定のところに安く実施させる、使ってない特許を束にして企業に紹介するなど、より柔軟に対応できるようにすることも場合によっては必要かもしれません。
 また、大学で改良発明しても、どこかの会社が権利をもっていたなど、ひもの付いたものは断られるか、整理してからもってくるようにと紹介した会社から言われてしまいます。ネットワークをなかなか組めていない理由の1つにこういうプラクティスがあるのではないでしょうか。
 講演の部で、日本の大学の成果に海外の企業のほうが関心をもっているという話がありました。一方、日本の企業はアメリカの大学のほうが連携しやすいとも言っています。国家として無駄遣いになりますので、日本の企業も日本の大学も産学連携にもっと真剣に取り組んでほしいと思います。 AMEDにはこのような日本の習慣を変えてもらいたいし、期待しています。大学側にも、企業と連携を促進するためには産官学連携教育・イノベーション教育が必要です。
 イノベーションを興すには、大学だけでは機能が足りず、門戸を開く必要があります。製薬企業との連携のほか、医工連携、医農連携、医食連携などを通じて大学の成果が活きてきます。連携は、人材交流のほか、会議を定期的に開催するということでも良いと思います。  研究の面でも、今までは他人のプロジェクトは他人のものという考えがあったかもしれません。これからは、つながりをもって研究を展開する、産業界の方にも入ってもらうといったことはできるでしょう。企業の方にアカデミアに1年入って研究してもらうというような産学連携活性化をしている大学もありますが、逆に企業のほうは、ファイアーウォールが必要などの理由で大学の人の受け入れを躊躇しています。そうすると大学ではいつまでも開発のことがわからないといったことになります。企業でも大学人の受け入れをぜひ理解していただきたいと思います。
 異業種・異業界とのネットワークという意味では、ICTの標準化・スタンダードなど異業種で成り立っているものもあります。たとえばブルーレイディスクアソシエーションでは、メディアメーカー、プレイヤーメーカー、PCメーカー、映画会社などが参加し、各種スタンダードを構築しています。ICTでは標準化技術策定の必要性からさまざまな分野の会社が参加するスタンダード団体が存在しています。
 オープンイノベーションを興すために、各社の知財担当者は、特許法だけをみるのではなく、産官学連携・ネットワークを意識した日常の企業知財業務を進めていただければと思います。

知財フォーラム準備委員会

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