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「2015 ライフサイエンス知財フォーラム」を開催
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奥村 洋一 氏

■ 講演2|製薬業界のプロイノベーション
~知財の立場から~

製薬協 知的財産委員会 委員長

奥村 洋一

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本日は製薬業界のイノベーションをどのように行っていくかについて、知財の観点からお話しします。「イノベーション」といいますが、どのようなものか明らかであればそれはすでに新しくなく、イノベーションではなくなってしまいます。どこから何が起こるかわからないのがイノベーションであり、イノベーションを生み出すにはそういった環境をどのように設けていくかが重要です。
 知財には独占とともに技術流通を図る側面があります。従来、製薬企業は知財の独占の面を重視してきました。しかし、今後イノベーションを生み出すには技術流通の側面についても強く意識していく必要があります。今日、創薬のビジネスモデルは多様化しており自前主義でなく異業種、他業種と協働してこそイノベーションが生まれるのではないでしょうか。オープン・アンド・クローズのオープンの面をもっと考えていく必要があります。
 特許の役割として技術流通という点を挙げましたが、連携・ネットワーク化という観点からは人の交流が重要です。業種を越えた交流がイノベーションの創出につながります。また、産学連携のネットワーク化においては公開性、透明性という点が重要です。公開性、透明性がなければ技術交流が起こらずイノベーションが生まれるような相乗効果も生じないと思います。
 再生医療に対する産業界の期待についてもお話しします。製薬業界からは再生医療をどのように産業化できるかが期待されています。すでに再生医療は臨床段階にありますが多くの患者さんに提供するためには産業化が必要です。再生医療は特に複数の工程や多業種が関連しますのでバリューチェーンを組まないと産業化できない分野、多業種が協同してイノベーションが生まれる分野だと思います。知財の観点からは再生医療にかかわる手術方法、治療方法、診断方法について特許付与を図ることも重要です。
 最後に本日みなさんにお伝えしたかったことをまとめます。まず、ネットワーク化に向けた特許出願、知財の利用を考えていく必要があります。また、日本に適したオープンイノベーションの仕組みを作っていくことが必要です。アメリカと同様のことをしてもうまくいきません。日本企業や人材の強みを活かした仕組みを作っていくことが求められます。最後に、製薬会社においても社内の知財マネジメントにとどまらず、積極的にイノベーションを生み出す環境を創造していくこと、積極的に知財の人間ができることを考えていくことが大切です。

渡辺 俊博 氏

■ 講演3|オープンイノベーションに向けた
産官学連携への取り組み

アステラス製薬 研究本部 創薬化学研究所長

渡辺 俊博

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医薬品の研究開発の成功確率は約3万分の1といわれており、最近の創薬ターゲットの複雑さ、求められる化合物の質の高さも相まって、研究者にとってはより重い数字になっています。研究開発費あたりの新薬創出数は減少し続けており、現在は1製品の創出に10億ドル以上のコストと、いまだに10年以上の研究開発期間が必要です。医療ニーズは感染症、生活習慣病、がんの撲滅、予防医療、超高齢化と多様化し、これらの医療ニーズを満たすために、創薬アプローチも低分子化合物やワクチン、抗体、核酸、コンパニオン診断、再生医療と多様化しているため、これまでにない新たな取り組みが必要になってきました。
 創薬研究の難易度上昇、臨床試験の負荷増大、製薬企業の収益性低下により、従来の自社単独のクローズドイノベーション(自前主義)では、研究開発投資の回収さえ困難となり、幅広いリソースを活用したオープンイノベーションが必要となっています。海外大手製薬企業は、再編、合併を経て2000年初頭からグローバルスケールでオープンイノベーションを進めてきました。一方、日本の製薬企業は約10年遅れて2010年頃からオープンイノベーションをはじめたところです。

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