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医療健康分野のビッグデータ活用の現状と課題
−ビッグデータが医療の概念を変える−
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これらのバイオバンクやコホート研究については連携が進みつつあります。特に3大バイオバンクについてはバイオバンクジャパン(BBJ)に日本のセントラルゲノムセンターの機能をもたせ、ナショナルセンター・バイオバンク・ネットワーク(NCBN)や東北MMBの患者・健常者検体やゲノム情報を共有して、共同で研究を進める体制が作られつつあります(図2)。

図2 疾病克服に向けたゲノム医療実現化プロジェクト

図2 疾病克服に向けたゲノム医療実現化プロジェクト

出典 : 平成27年度厚生労働省予算関連資料より抜粋

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「オーダーメイド医療の実現化プログラム」文科省シンポジウム資料(2014年3月)
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「日本のゲノムコホート研究とバイオバンクの倫理的課題」東大医科研シンポジウム資料(2013年3月28日)

創薬(疾患ターゲットの探索)という視点では、従来「疾患ゲノムコホート研究」やバイオバンクの疾患ゲノムの探索により、疾患関連遺伝子を同定することが行われてきましたが、結果として発見されたターゲット遺伝子は多くの場合単一遺伝子疾患(1つの遺伝子の変異が発症原因となる疾患)の遺伝子でした。しかし、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、がんなど多くの疾患の発症には多因子の遺伝子や体質の要素が加わり、かつ生活習慣などの要素も含めて発症に至るので、疾患ターゲットを絞り込むことは困難でした。これからのゲノムコホート研究においては大規模なコホートを対象に「遺伝子—環境相互作用解析」を行い、多因子疾患の疾患ターゲットも解明される可能性が高まっています。
 また個別化医療(予防への進化)という視点でも、大規模な健常者集団を数十年にわたって追跡し、ゲノム情報をはじめとした詳細な要素をデータ化することで、発症前、発症後、また発症しなかった健常者との要因比較を分析することにより、個別予防医療の実現が期待できます[5][6][7][8]
 日本学術会議は100万人規模の健常人ゲノムコホート研究を提言しています[9]。しかし、一般にコホート研究の規模は1〜10万人ほどのものが多く、コホート間で統一したフォームでデータを共有するなど、研究連携が生まれつつあります。
 2011年4月にライフサイエンス分野のデータベースを統合する目的で、科学技術振興機構(JST)にバイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)が設置されていますが、統合データベース整備の第2段階(平成26年度〜)の目標として「日本国内のゲノムコホート研究で蓄積されるデータを統合的に利用できる仕組みを作る必要がある」と提言されており、すでに動きがはじまっています[10]
 ビッグデータ活用にとって非常に重要な取り組みです。  コホート研究以外でも、アカデミアレベルでの臨床データベースが構築され、現場での活用が行われています。その代表的なものが、NCD(ナショナルクリニカルデータベース)という専門医制度と連動した臨床データベースです。

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「個別化医療・創薬のための大規模ゲノムコホート研究の最新動向」シードプランニング
(2014年4月21日)
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「個別化医療の実現を目指すコホート研究の新展開」シードプランニング
(2014年6月6日)
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「100万人ゲノムコホート研究の実施に向けて」日本学術会議提言
(2013年7月)
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「ライフサイエンス分野の統合データベース整備の第2段階の在り方について」科学技術振興機構
(2012年7月)
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