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リスクに基づくモニタリング(RBM)の導入上の課題と留意点  第1回〈全2回〉
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【ステップ2:リスクの分析】

リスクの分析では、特定したリスクに対して「うまくいかない可能性はどれくらいか」、「うまくいかなかった場合、どんな結果(重大性)となるのか」を考え、そこにリスクのみつけにくさ(検出困難度)も加えて、それぞれのリスクの高さを定性的または定量的に決定します。

【ステップ3:リスクの評価】

リスクの評価では、リスクの重大性を評価するための目安(リスク基準)と分析したリスクを比較して、そのリスクは許容できるものかを決定します。ちなみに、リスクの分析と評価を一緒に行うことが一般的です。
 リスク評価の結果、許容できないリスクについては、リスクを回避するための措置や回避できない場合のリスク軽減策を、データを生み出すプロセスに反映させます。治験においては、治験薬概要書、治験実施計画書、モニタリング計画、解析計画書、トレーニング計画書などさまざまな計画書や手順書に加え、症例報告書のデザインも対象となります。
 たとえば、日常診療では実施しないような調査項目があれば、薬効評価の一貫性に影響を与える可能性があるリスクとなります。このような調査項目は日常診療からの乖離が大きければ大きいほど、施設によって実施された結果のばらつきが大きくなります。この調査項目が主要評価項目であれば、ばらつきの大きさ(一貫性の欠如)は許容できないリスクと評価されます。このリスクに対して、評価の手順や規則を作成し、評価者に対してトレーニングを行うといったリスク軽減策を講じることになります。
 このように、リスク・アセスメントは特別なことではなく、これまでも実践してきていることです。ただし、網羅的にリスクを評価するためにスタディー・チーム全員が参画して行うことが重要です。
 なお、治験開始前に十分な検討をしてリスク・アセスメントを実施しても、事前に特定できなかったリスクあるいは想定以上の頻度やインパクトのあるリスクが検出されることがあります。その際は、何度でもリスクを再評価し、予防措置を講じて、リスク・マネジメントのPDCAサイクルを回していきます。

モニタリング計画

ライン

Q. だれが、いつ作成するのでしょうか?

Q. どのような内容が含まれるのでしょうか?

Q. 従来のモニタリング計画とは何か違うのでしょうか?

ライン
A

リスク・アセスメントにおいて事前に特定・分析・評価されたリスクをさまざまな活動や計画書に落とし込み、エラーや問題を起こしにくいプロセスを事前に作り込むための手段の1つに、モニタリング計画の作成があります。
 RBMを導入するにあたり、治験依頼者は各試験において、モニタリングの方法、責任、試験特有の要件を記載したモニタリング計画を試験開始前までに作成することが求められます。もちろん、リスク・アセスメントの結果に基づいてモニタリングにかかわるスタディー・チーム全員で内容を検討し、作成しなければなりません(図3)。
 従来のモニタリング計画は、標準業務手順書(Standard Operating Procedures、SOP)や原資料との照合・検証(Source Data Verification、SDV)の手順書レベルのもので、どの試験でも使い回せる画一的な内容のものが多かったと思われます。しかし、RBMを適用するのであれば、試験ごとに、どういう場合にどのタイプのモニタリングを実施するか、頻度・タイミング・程度はどうするかなどについて具体的に記載することになります。リスク・アセスメントで特定されたデータやプロセスに対するクリティカルなリスクを予防・軽減することに焦点をあてるべきです。
 たとえば、試験中に実施される中央モニタリングの1つとして、被験者ごとの有害事象(Adverse Event、AE)発現数を施設ごとに比較することが挙げられます。全施設の平均数の上下30%を閾値として設定するなどして、閾値を超える違いがみられた施設では、担当医師のAEに関する認識が誤っている可能性も踏まえて、オンサイト・モニタリングによる原因の調査と対処(AE報告に関する再トレーニングなど)を規定する場合もあります。
 なお、モニタリング計画に含める内容(項目)は、FDAガイダンスに以下のように記載されています。

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