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「第26回製薬協政策セミナー」を開催
健康・医療戦略を踏まえた医薬品産業の発展に向けて
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3本柱の対策で問題解決に期待

2013年の医薬品の世界売上における上位30品目では、以前に比べて日本で開発された製品が減っており、バイオ医薬品でも欧米に遅れを取っていることがわかります。それと関係があるのかどうかわかりませんが、日本企業の海外売上高は、いわゆる「2010年問題」あたりから伸び悩んでいるようです。
 製薬業界では2010年前後に主力製品がいっせいに特許切れとなる「2010年問題」が話題となりました。日本企業が開発した大型製品で2010年頃に特許切れを迎えるものは確かに多く集中していて、その2~3年後にもいくつかの製品の特許が切れます。企業も努力していると思いますが、なかなか解決されていないのが現状です。
 以上、業界の全体像をざっとみてきましたが、こうした問題を解決するのに奇策はありません。私はその対策を以下の3本柱と考えています。
 まず第1には「研究開発力の強化」です。そのための法制度の改正を含めて政府は対応しており、今年5月には研究開発の司令塔として後で述べる独立行政法人日本医療研究開発機構を創設する法案が成立しました。第2に国際展開と外国人患者の受け入れ。いわゆるアウトバウンドとインバウンドの促進が必要でしょう。第3に「日本発の医薬品の早期実用化」です。これも後述しますが、政府は先駆け審査指定制度の創設など、実用化を早める取り組みを行っています。
 この3本柱が組み合わさってうまく機能することが重要です。

日本医療研究開発機構の設立

それではまず、研究開発の強化についてです。
 先ほど述べた独立行政法人日本医療研究開発機構法が2015年4月1日から施行されることが決まりました。この機構では医療分野の研究開発およびその環境の整備の実施・助成などを行いますが、ポイントはこれまで文部科学省、経済産業省、厚生労働省と、3省がそれぞれ行ってきた施策を連携して、シームレスに基礎研究から実用化まで一貫した研究開発支援を行うことにあります。
 厚生労働省としても、これまで実用化促進のために臨床研究支援や、ドラッグ・ラグ(新薬が海外で開発されてから実際に日本で治療に使われるまでの時間差)あるいは研究開発に即した薬価制度のデザインなどに取り組んできました。
 しかし、より総合的に施策を連携し、基礎研究から臨床研究、治験、審査、安全対策、保険適用、国際展開、さらには中小企業・ベンチャー企業支援まで含んだ戦略パッケージが必要になっています。
 昨年、臨床研究中核病院の支援を強化するために医療法を改正しましたが、さらに新たな臨床研究中核拠点の基準作りを年内にまとめ、来年4月1日から施行したいと考えています。
 医薬品の実用化を早める先駆け審査指定制度も来年4月にはじまります。世界に先駆けて、革新的医薬品・医療機器・再生医療などの日本発の製品を早期に実用化するべく、日本での開発を促進することが目的です。
 具体的には優先相談を2ヵ月から1ヵ月に短縮して、資料提出から治験相談までをスピードアップするだけでなく、事前評価を導入して実質的な審査の前倒しを実施し、総審査期間を12ヵ月から6ヵ月に短縮します。治験においては、場合によっては最終段階である第Ⅲ相試験結果の承認申請後の提出も認めるようにしました。
 欧米では既承認で日本未承認の薬については未承認薬迅速実用化スキームを設けましたが、この対象を一定の条件を満たす欧米未承認薬にまで拡大し、世界に先駆けての重篤・致死的疾患治療薬の実用化を加速します。これも、来年4月には施行したいと考えています。

新興国の医療制度に貢献

次に国際展開ですが、日本政府はこれまで国際保健協力として感染症対策や母子保健など国際貢献を行ってきました。今後は新興国が経済成長していく中で、医療制度などの整備が求められるため、日本としても支援をしていこうと考えています。
 国民皆保険制度や薬事規制のノウハウ、法制度の整備などパッケージで輸出し、各国の保健行政と協力しながら、ひいては日本の医療に対する信頼とブランドづくりを行っていきたいと考えています。こうした貢献によって、日本の製薬企業が海外進出する際に円滑に進められるよう、ビジネス環境の整備につながればいいと思っています。
 すでにミャンマーやカンボジア、トルコ、ブラジルなど9ヵ国と医療・保険分野における協力覚書を交わしました。今夏には安倍総理が中南米を訪ね、ブラジルでは大統領や関係省庁・機関と話し合いました。今度は近々に、同国国家衛生監督庁の長官が来日することになっています。企業や病院、医療制度などいろいろなものをみて、日本に対する理解と医療への信頼を深めてもらいたいと思います。

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