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新薬承認にみる薬事上の特別措置
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アメリカでは、すべての新薬承認に対し、いずれかの措置を受けた場合は、平均値、中央値のいずれも審査期間の短縮がみられました。この傾向は日本でも同様であり、いずれかの措置を受けた場合、おおむね2〜3ヵ月程度、審査期間が短縮されていました。一方、ヨーロッパでは、何らかの特別措置を受けた場合であっても、ほとんど短縮はみられず、むしろ2012年、2013年はともに、措置を受けた場合は、すべての新薬承認よりも審査期間が長いという傾向がみられました。このことから、アメリカおよび日本では、特別措置が審査期間短縮に対して貢献していると考えられますが、ヨーロッパでは、特別措置が審査期間短縮にほとんど貢献しないと考えられました。
 さらに、日本における審査期間は、特別措置を受けた場合で6〜8ヵ月、全体であっても、9〜11ヵ月程度であり、特別措置の有無にかかわらず、アメリカ・ヨーロッパに比べて短く、直近の状況では、PMDAによる審査の効率化が進み、日本の審査はアメリカ・ヨーロッパよりもむしろ短くなっている傾向がありました。


おわりに

各地域の特別措置は、それぞれの社会背景や審査制度の違いなどから、適用範囲も、適用基準も異なった独自の施策となっています。さらに、それぞれの地域においても、種々多様な特別措置を設けており、これらの措置を一概に論じることはできません。しかしながら、今回の調査において、一定の割合の新薬の承認が何らかの特別措置を受けていたことを考えると、特別措置はもはや特殊な状況下での開発・申請だとは考えにくいと思われます。むしろ、各国の薬事上の特別措置を十分に理解したうえで、開発初期から常に、どのような措置に該当させるかを明確にして、該当条件を満たす、あるいは認定に有用なデータを優先して取るなど、開発戦略に組み入れることが重要になってくると考えられます。さらに、このような戦略に沿った初期のデータを評価することが、グローバルでの開発意義やGo/No Goを見極める重要な要素になり得ると考えられます。

医薬産業政策研究所 首席研究員 小林 和道


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