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201407タイトル
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第67回世界保健機関(WHO)総会ハイライト
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3. 必須医薬品(Essential Medicines)[1]へのアクセス改善
 今次WHO総会において、必須医薬品へのアクセス改善に向けた活動を促す決議案が採択されました。具体的には、各加盟国に対し、必須医薬品のアベイラビィティ、妥当な価格、品質と適切な使用の促進に向け、より包括的な医薬品政策の策定、医薬品規制の強化、調達・流通システムの整備などにリソースを投じることが促されました。WHOが定める必須医薬品リストの大半を特許失効後の医薬品が占めていますが、議論の過程では多くの加盟国から抗がん剤やC型肝炎治療薬などの画期的な新薬の価格や知的財産権を医薬品アクセス障害の一因として指摘する声が挙げられました。また、TPPに代表される多国間(および二国間)貿易協定が医薬品アクセスに与え得る悪影響が懸念されるとともに、医薬品アクセス改善の一途として、途上国における自国生産体制の強化・促進など価格低減と競争促進に向けた取り組み、ITを活用した医薬品供給のモニタリングシステム(品薄、欠品対応)などの重要性が指摘されました。

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WHOでは必須医薬品(essential
medicines)を「大多数の人々が健康を保つために必要不可欠なものであり、決して不足することなく、必要とする人々にとって適切な投与形態で、誰もがアクセスできる値段で提供されるべきもの」と定義しています。

4. バイオ医薬品(バイオシミラー含む)へのアクセス
 WHOによりバイオ医薬品のアクセス改善と品質・有効性・安全性確保に向けた活動を促す決議案が採択されました。バイオ医薬品に関するWHOガイドラインの重要性が改めて再認識されるとともに、加盟国に対し科学的知見に基づいた強固な規制フレームワークを整えることが促されました。多くの加盟国からは、バイオシミラーの開発が医薬品アクセス改善の一助となるとの見解が示されました。今後、WHOに対しバイオ医薬品の基準にかかわるガイドラインの見直しに向けた専門家会合を開催することが求められるとともに、今回の決議案の実行状況について2016年度WHO総会で報告することとされています。


今後注目すべきトピックス
 2014年秋の第69回国連総会に向けて、現行のミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)が終了する2015年以降の開発課題(post-2015 Sustainable Development Goals)に関する議論が進展しており、保健医療に係る目標がどのようなかたちで盛り込まれるのか、国際保健にかかわるステークホルダーにとって大きな関心事になっています。民間セクターにおいては、従来のCSR(Corporate Social Responsibility)という概念を超えて、企業の成長戦略の一環として開発課題に責任を持ち、開発途上国を支援するといったコンセプトから、大きな資金と成長が見込まれる「ビジネス機会」として捉える企業の動向に注目が集まっています。医薬品産業にも大きく影響を及ぼす事項としてこれらの国際保健の動向を捉え、製薬企業は国際保健分野におけるキープレーヤーとして、課題解決に向けた継続的な貢献を果たしていくことが求められています。


国際委員会 グローバルヘルス部会 西本 紘子IFPMA 佐藤 信樹

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