製薬協について 製薬協について

Topics | トピックス

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
201407タイトル
topics
前へ1(現ページ)23456次へ
「欧州レギュラトリーセミナー」を開催

– Latest Developments in European Pharmaceutical Law –

line03 line03 line03

● 臨床試験データの公開
 臨床試験に関するあらゆる情報(臨床試験実施のための申請書類、試験結果のサマリー、総括報告書、治験薬関連の書類など)が、EUポータルを通じてEUデータベースに登録されます。
 これらの情報は承認申請がなされた後は一般に公開されることを念頭に入れておく必要があります。EU内における情報公開はRegulation 1049/2001に規定されており、外部から資料請求があれば各当局は保持している当該資料を開示すべきか否か、また開示する際は、当局側が機密部分を特定し、どこまでを開示範囲とするか判断して提供します。通常は、承認保持者(MAH)と協議をして請求者へ開示しますが、最終判断はEMA側にあって、必ずしもMAHの了解を得ることを必須としていないことから、開示の可否に関係して2件ほど裁判が行われていました(最近、AbbVieの件はEMAと折り合いがついたとのことです)。
 一方、新たな動きとして、請求ベースで臨床データの開示を判断するのではなく、承認の可否によらず、審査終了後は臨床データをホームページ上で自主的に公開していくことがEMAより提案され、現在、主要関係者の意見を参考に最終調整に入っています。2014年6月にはEMA理事会で最終審議され、方針が明らかにされるようですが、概略としては、中央審査方式(CP)で審査された医薬品については、企業機密に該当する部分をマスキングしダウンロードができない閲覧のみを可能とする総括報告書が審査終了後に公開されるようです。
 なお、そのデータにアクセスをするものは、商業目的やそのほか不正にデータを利用しないことを使用条件に、事前にEMAへ同意も示す必要があるということです。製薬企業としては、承認申請資料に含める総括報告書に関し、後の一般公開に備えて、マスキングを施したバージョンも提出することになるので、業務量としては現在より確実に増えることになりそうです。


● 臨床試験に関する各種の報告事項
 CTRにより、臨床試験の各種文書に加えて、次のマイルストーンに関して15日以内にEUポータルへ登録する義務が生じます(図2参照)。
 ・ 臨床試験の開始
 ・ 患者登録の終了
 ・ 臨床試験の中断あるいは早期終了
 ・ 臨床試験の完了
 これらの報告義務は、これまではなかったことなので、企業にとっては相当な負担になることが想定されます。
 また、臨床試験で生じた安全性情報の報告手続きが少し整理されます。これまで通り、予期せぬ重篤な副作用(SUSAR)の報告期限に変更はありませんが、各規制当局および欧州委員会へ報告していたものは、EMAのEudravigilanceデータベースへ一括登録すればよくなります。


図2 EUポータルへ登録すべき事項

Numerous reporting obligations, generally within 15 days
 – Start of CT
 – End of recruitment
 – Temporary halt or suspension of CT
 – End of CT in the CMS, all the CMS and third countries
 – Summary of results of the CT (1 year of the end of the CT in all CMS)
 – Clinical study report (30 days of MA or withdrawal of MA application)
 – Inspection reports

Through the EU portal
 

 このほかにも新規の事項や、これまでも項目としてはあったけれどもその内容が変更となった事項など、今回の改正により、臨床試験に関する多くの手続きや報告すべき事項が一新されます。まずは、新しい規則CTRがどういう内容であるかを理解し、本格的な施行までに社内体制を整備し、万全の準備をしておく必要があります。また、近日中に発表される予定の臨床データの公開に関する最終的なEMA方針についても、各社で対応を検討する必要があります。


前へ1(現ページ)23456次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ