治験責任医師の急な転出に関して、新GCPに関するQ&Aハンドブック改訂版(発行:エルゼビア・ジャパン株式会社)の6-A4において、以下のように記載されています。
「治験責任医師の転出の場合には、治験責任医師の変更届をIRBで審議し、治験責任医師の不在期間がないように検討してほしい。治験責任医師がいない状態での治験実施は不可なので、継続の患者がいる場合、患者が不利にならないよう、迅速に治験責任医師の変更を行われたい。」
回答のポイントは、治験責任医師の不在期間をなくすこと及び被験者の不利益にならないようにすることであると考えます。
一方、治験責任医師の変更は、通常以下の手順が想定されます。
- 治験依頼者による治験責任医師候補の選定調査/評価
- 治験依頼者と新治験責任医師候補との治験実施計画書の合意
- 現治験責任医師による被験者への治験責任医師交替のお知らせ/継続意思確認
- 新治験責任医師候補による同意説明文書の見直し/作成
- 新治験責任医師候補による治験分担医師協力者リストの作成及び提出
- 医療機関の長による治験分担医師協力者リストの承認
- 新治験責任医師等についての治験審査委員会による審査
- 変更契約締結
上記手順の内,1.は赴任前にGCP第42条の要件を満たしていることを確認することは困難であり(赴任先での時間的余裕、治験スタッフの確保,期間内の被験者確保等)、また、5. が医療機関として受け付けられるかも問題になると思われます。
これらの問題を回避する方法は、現治験分担医師を新治験責任医師とすることですが、諸事情によりこれが不適切な場合には、被験者の不利益にならないよう配慮することが最も重要と考えます。
継続中の被験者がいる場合には,事前に新治験責任医師候補と赴任後の業務打合せを行い,治験責任医師の要件を満たせるよう配慮すると共に,赴任が確実な場合は,事前に上記手続きが進められるよう医療機関内の規定を整備すれば,新治験責任医師による治験継続は可能であると考えます。
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