以下の理由によりCRCの履歴書を提出する必要は無いと考えます。
本件は,モニターの履歴書の提出を求める医療機関が存在するのと意味合いが同じく、治験依頼者のSOPによるものと考えられ、業界の統一基準や当局の規制・指示・要望ではありません。
GCPでは,CRCの選定・指名は治験責任医師/医療機関の責務であり、治験依頼者はCRCを指名・選定する権限を有しておりません。また、GCPには製薬会社がCRCの履歴書を入手する旨の記載(必須文書)はありません。
なお、「新医薬品の承認申請資料に係るGCP実地調査の実施手続きについて」(平成16年12月28日総合機構信頼性保証部長事務連絡)において、CRCの履歴が実地調査事前提出資料として記載されていますが、これはCRCの人員(所属及び職種)の履歴であり、CRC個人の履歴を指すものではありません。
一方、ICH E3ガイドラインが基となる「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドラインについて(平成8年5月1日薬審第335号)」におきまして、「看護婦・・・などのうち、効果に関する主要なまたは重要な変数の観察を行った・・・人々」の氏名、所属、治験における役割及び資格(履歴書又はそれに準じるもの)の一覧表を総括報告書に添付することが求められていますが、重要な観察を行った場合であり、しかも多施設試験では一般的な資格、治験での役割の情報でよく、CRCの履歴書を必要とする場合はほとんどないと考えられます。
以上、日本のGCP上CRC(治験協力者)の履歴書は提出する必要性はありません。更に、FDAのIND下での治験でもCRCの履歴書は必須ではありません。
治験依頼者となるべき者がCRCの履歴書の提出を求める場合は、その理由、根拠となるものを要求し、その上でなお納得しがたい場合は、治験の依頼を拒否することもやむをえないと考えます。
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