医療機関の間での診療情報提供について、現在調査した範囲では、医療法第1条の4第3項、保険医療機関及び保険医療養担当規則第16条の2、及び「診療情報の提供に関する指針」(平成14年10日日本医師会)の4-1にありますが、いずれも提供する情報の範囲については明記してありません。診療録の第三者への開示については、秘密の漏洩に関する規定(医療法第72条)以外は、手続きに関する法的規制は調査した範囲ではありませんでした。
治験の安全性、有効性を確認(特に、被験者の安全性を確保)する上で、治験中の他の医療機関による診療情報は重要です。
他の医療機関に診療情報の提供を依頼する手順として以下のことが考えられます。まず、被験者の方から文書で同意を得た上で、その同意文書を添付して治験責任医師が文書で依頼します。依頼をされる際に、治験に参加していただいている被験者の安全性確保に他の医療機関の診療情報が重要であること、必要とされる情報の範囲を明確にすると他の医療機関も診療情報の提供について理解し、提供していただきやすいと考えます。提供された情報及び被験者の方から得た情報(他の医療機関で薬剤が処方されている場合は、その薬を持参してもらい内容を確認します)の範囲で症例報告書に記載することになります。
尚、想定はできませんがご質問にあります、他の医療機関の診療録の内容を確認する必要性が生じた場合、他の医療機関の診療録の内容を確認することが必要と判断された場合は、被験者の方の同意を文書で得た上で、治験責任医師が上記と同様にして依頼することになります。ただし、診療録の第三者への開示については、法的に定められた手続きは調査した範囲では見当たりませんので、相手の医療機関とご相談の上、その院内手続きを尊重して行うことになると考えます。また、診療録の開示は通常患者本人又は患者が死亡の場合は遺族にのみ認められていること、及び個人情報の保護に十分留意されることが必要と考えます。
いずれにしても、診療録に適宜これらを記録し、また、診療情報の提供の依頼及び情報の受領は文書で行い、原資料の一部として保管するようお願いします。
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